Der MondhimmeT
□カゴの中の小鳥
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薄暗い路地裏で声がする・・・
「 ・・・ ・・・すまない、俺が、俺が・・・」
涙を流しながら謝り続ける男。
その男の腕の中には真っ赤に染まった白い服を着た女が居る。
「 ・・・」
虫の息で男の名を呼ぶ女・・・
「 !」
女は名を呼べることが奇跡に近い状態なのに懸命に言葉を告げている。
「ま、また会いましょう?
今度は幸せに・・・幸せになろう、ね・・・」
「ああ、なろう!絶対になろう!だから・・・」
涙を流し続ける男
「 ・・・ありがとう」
その言葉を最後に女は息を引き取った・・・
「 ! !くッ・・・」
もう二度と女が目を覚ますことはない・・・
薄暗い路地裏に男の泣き声が響き渡る・・・
「 、俺はもうお前しか愛さない・・・この命尽きるまで、 愛している・・・」