お題

□二人きりの雨宿り
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「おい待て!一人で突っ込むなたわけ者!」


何か失礼なことをのべながら私のあとを追ってくる三成。何なの。私ぶっちゃけこいつ好きくないんですけど。


「何よ、何か用?早めにしてくれますかー?私急がなきゃいけないんでー」


「何処に急ぐと言うんだ!拠点か?敵拠点か!?」


「そうですけど何かッ!?」


「この馬鹿者が!部隊長の貴様が突っ込めば他の兵もついていくではないか!」


何よ、当たり前の事今さら言って、


私がそう言うと三成は眉間の皺を更に深く刻んで怒鳴ってきやがった。


「貴様の独断行動で大幅に兵を減らしてどうする!周りを見ろ!」


はい?周り?あれ、何?なんか皆倒れてない?あれ、てか私、孤立してない?


「…何これ、死体ごっこ?しんちゃんですかコノヤロー」


「貴様がむやみに突っ込むからだろう!」


えーっと、うん、これはあれだよ、


「…人間失敗くらいあるさ」


「黙れこの愚か者!」


三成めっちゃ怒ってるし!


厄介なことになった、こいつに説教くらうなんてごめんなんですけど!?


そう考えてると、私と三成の間にドスッと音をたてて一本の矢が落ちた。


「……え」


冷や汗が頬を伝う。私と三成はほぼ同時に少し向こうを見上げた。


視界に入るのは、

たくさんの弓を構えた敵さん達


「「……」」


ドドドっ!!と物凄い量の矢が向かってくるのが何故だかものすごくゆっくり見えた。動体視力上がったかしら。


「ギャーーッス!!」


慌てて近くの櫓の下に潜り込む私。


「やばやばやば!死ぬってちょっと!」


「貴様のせいだろう!」


「てか何であんたもいるの!?出てってよ!」


「貴様が出ていけ!」


二人きりの雨宿り



矢の雨なんてありえない!



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