詩・短編
□あのねのね
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あのね…
君が呟く
何?
僕が聞く
あのね…あの…あのね…のね
君が言葉に詰まったように言う
なんだよ それ?
僕が笑いながら言う
なんだろ…ね
君が言う
少し悲しそうな目をして
あのな…
今度は僕が呟く
何?
君が聞く
…あのね のね!
少しおかしな顔をして僕が言う
何それ?
少しふくれ顔をして君が言う
…好きだよ
僕は君の目を見ながら言う
…本当?
君が聞く
本当
僕が微笑んで言う
…
あのね…私も…好きだよ
少し恥ずかしげに君は言う
…知ってる!
僕は照れ隠しに
でも嬉しそうにそう言う
えぇ?!
君は笑いながら言う
あのねのね
多分君は『好き』って言おうとしたんだろう?
でも じれったくて言えなくなっちゃったんだろう?
ちょっと甘酸っぱい僕らの恋
だけど…そこがいい所
なんじゃないかなぁ…
僕はそんな事を考えながら
君と笑いあう
それから…あの『あのねのね』は
僕達の合言葉になった
僕達はお互いの愛を感じながら 笑って言うんだ
あのねのねって