Guilty╋Trigger
□プロローグ
1ページ/5ページ
「くそっ…何だよこれ!!」
目を覚ますとそこは蝋燭の明かりに照らされた薄暗い部屋で、腕は後ろに束縛されていた。
何でこんなことに…
俺は仕事の依頼である奴を殺してほしいと頼まれた。
ついでに機密書類のデータも盗んで欲しいといわれ、専門外だったがそれも引き受けてやったんだ。
だがそれが罠だったなんて考えもしなかった。
思い出しただけでも腹が立つ…
「っちくしょ…」
苛立ってても仕方がない先ずはどうするか考えよう。
このままでいるか、それとも逃げるか。
縄抜けぐらいは出来るが…
だが逃げるといっても詳しい状況が分からない。
見張りがいるとしたらどうやって切り抜ける?
今の俺は丸腰だ。
ここは大人しくしていよう。
ふと扉の向こうから足音が聞こえてきた。
誰か来る!!
俺は扉を見て身構えた。
そしてギィィィっと音を立てて扉が開いた。
「…お前は!!」
一瞬体が強張る。
白髪の混った黒髪に、胸には獅子の紋章のバッチを付けている中年の男が入ってきた。
間違いない。
「…ドラート・ゴンク」
無意識に名前が口から出た。
「ほぉ、覚えていてくれてたんだな」
ドラートは笑みを浮かべるとゆっくり近づいて来た。
.