それは朝倉の一言から始まった。「みんな〜!ちょっと聞いて!今日からウチに超イケメンの副担任が来るらしいよ!」 「「えええええええ!!」」副担任とは読んで字の如く副の先生あるが、やはり皆そっちよりも「超イケメン」に反応していた。
その頃学園長室では…
「どうも、今日からここで勤めます本郷 猛と申します。宜しくお願いします。」 礼儀正しく頭を下げた一人の青年、「本郷 猛」。
「おぉ、君が本郷君か、待っておったよ。」大体学園長は待ってもいないのに待ったという。ちなみに猛は5分前には既に来ていた。しかし、 「え、すいません。待たせてしまって…」「む?い…いやいや冗談じゃて(汗」 これは厄介。猛にはどうやら冗談が通じないらしい。まあ特にそれが今後支障をきたすことは無いとは思うが…
「君には早速、3-A副担任をやってもらおうかな?」「副担任?」やはり初めは皆そうなのか?と思っていると、「分からんことは…おぉ、来たようじゃな。ネギ君、明日菜君、刹那君、木乃香」学園長室の扉が開き、そこから4人の子供が入って来た、一人は何だろう、迷子かな?そう思っていると、その子が初めに口を開いた。「あれ?学園長先生、その人ですか?」その人?ああ僕か…って…え?「そうじゃよ、ネギ君。君のクラスで副担任を勤める本郷 猛君じゃ」君のクラスって…この子供が担任だって?嘘ですよね?(汗
「本郷君、彼がネギ君、3-A担任じゃよ」いくら何でもそんな事って…労働基準法はどうなってるんですか?「えっと…ネギ…先生でいいですか?」すると元気に答えた。「はい!本郷先生、宜しくお願いします!」すると猛もつられて「こちらこそ宜しくお願いします!」と満面の笑みで応えた。「あ!今日朝倉が言ってた先生の人?」「朝倉という人は知りませんが、恐らくそうです。…あの、3-Aの生徒さんですか?」その女の子はツインテールの髪を鈴で縛った女の子だ。「はい!神楽坂明日菜です!あとこっちの子が木乃香でその隣は刹那さん。」「宜しくな〜」「…宜しくお願いします///」顔が赤い、風邪かな?「そういえばさっき学園長先生、木乃香さんのこと呼び捨てにしてましたけど、…お孫さんですか?」「お…よく分かったの」すると「やん。本郷先生、他人行儀すぎやで?木乃香でええよ?」「あ…でもその…話しにくいですから」「あ…じゃあ早速教室に行きましょうか?」ネギ先生が助け舟を出してくれた。「はい、お願いします」
「じゃあ…呼んだら入って来て下さいね」ネギ先生と3人は教室に入って行った。耳をすますと「アスナ!どうだった?」とか「男?」とか聞こえてきた。変な噂流さないで下さいね…「じゃあ、本郷先生、入って来て下さい!」入って行くと皆の顔つきが変わった。僕が何か?「今日からここで副担任を勤めることになった、本郷 猛です。皆さんどうぞ宜しくお願いします」…沈黙が流れる…だから何もしてませんて。「「かっこいいー!!」」皆が飛び込んできた「うわっ!」何だ何だ?「何歳?」「タイプは?」「身長と体重は?」次々と来る質問。「えっと…26歳、186cm、84kg、タイプは…えっと…よく分からないです」「えー!凄いガタイいいね!」「若く見えるよ!?」猛は思った。…この子供達は何て純粋なんだろう、と。思わず頬が緩んだ。すると、「「…///」」皆が赤くなり黙った。まさか今自分は何か良くないことをしてしまったのではないか?そんなことを考えていると、「あ、あのー彼女は…いる?//」「いませんが…?」見栄をはっても仕方ないので正直に答えた猛。だが…「「付き合って下さいー!!」」「え?…質問の意味がよく分からないんですが…」「…え?」皆今こう思ったことだろう。「鈍い」と。しかしこの男、恋愛経験が皆無で、そのせいか色恋沙汰にはかなり鈍くできているのだ。例えば前にも 告白されたことがあったのだが、「?」だったそうだ。「ま、まあ皆さんと本気で仲良くしていきたいと思うので、宜しくお願いします」ぺこりと頭を下げる猛。皆も元気一杯に「はーい!!」と返事してくれた。これなら上手くやっていけそえな気がしてきた猛。しかし、その頃学園長室では…
「やはり、彼は隠し事をしていたようですね」そう言うはタカミチ・T・高畑という三十路を少し過ぎた先生。「ふむ…しかしこんな組織が実際にあるとはな…彼は元そこの一員、か」「これを見て下さい。彼のデータです」「戦闘力から学歴まで、履歴に嘘は無いようじゃが…注意はしておくか?」「えぇ…しかし凄いですね。パンチ力は約4d、キック力は約15d、挙げ句の果てにはこの跳び蹴りは約35dとされている。跳躍力は約25b、更には100bを約4秒で走る。か。魔力も気も無い人にこれだけの芸当が出来るとは…」「もし敵だったら…」「恐らくかなりの苦戦は有り得ます」この学園にも長瀬 楓や刹那のような身体能力の高い人物はいるがここまではいかない。一体何者なのか…?
「それでは…人の血管は大きく分けて2つ、何と何でしょうか?…えっと…じゃあ明日菜さん」ぐ〜「明日菜さん?」ぐ〜「えっと…じゃあ木乃香さん、答えて下さい。あと明日菜さんを起こしてもらっていいですか?」「はいな。え〜と、動脈と静脈?」「はい。その通りですね。そこで今回はこの動脈と静脈の違いについて勉強していきましょう」「アスナ〜起きて〜な」木乃香が明日菜の体を揺さぶる。「う、う〜ん?」「授業中や…で…//」見る見るうちに顔が赤くなっていく木乃香、何と思った明日菜は木乃香の視線を追っかける。そこは自分の後ろ、つまり…「お早うございます。明日菜さん」猛の微笑む顔が…「//(ボンッ!!)//」…ドタッ…「あ!明日菜さん!どうしました!?」明日菜は既に悶絶していた。「(いやいやあんたのせいだよ!)////」ツッコむクラスメートたちであった。
「…それでは今日はここまで、予習も復習もきちんとしておいて下さいね」「「ありがとうございました」」その日の授業が終わり、HRの時間、「それでは皆さん、さようなら!」「「さようなら!」」猛も自身の新しい住居(教職員宿舎)を見に行きたいため、早めに帰るつもりだった。が、「本郷先生!今日歓迎会やるから夜7時教室に集合ね!」「え?」猛は驚いた。今までそんなことをされた事がないからである。「い…いいですよ。僕なんかの為に」言おうとしたら横から木乃香が…「やん。本郷先生、自分のこと蔑んだらあかんて!」おっとりした感じだが、怒っていた木乃香だった。「そうよ。本郷先生かっこいいんだから、もっと自分に自信持たなきゃ!」「えっと…あの、有難う御座います」本音は家の家財道具などの整理をしたいのだが、どうやら逃がすつもりは無いらしい。…だが、まあまだ中学生だし、大した歓迎会ではないかも…だがそれが逆に微笑ましくて一体どのくらいなのか、改めて猛はこのクラスでは仲良くやっていけると思った。
その夜、猛は言われた通りに3-A教室に向かった。しかし、その時だった。「君が本郷 猛君かい?」猛が振り向くと、そこには30歳はそこそこ過ぎた感じの眼鏡をかけた人がいた。「あなたは…えっと…誰ですか?」するとその人は「ああ、挨拶が遅れたね。僕はタカミチ・T・高畑だよ。何て呼んでくれても構わない…だけどね‥今はそれはどうでもいいんだ。…遠慮なしに聞くのは悪いかもしれないけどね‥君は、人間じゃないね?証拠もある」さあ、彼がどう出るか…
しかし、猛の反応は驚くものだった。
「あ、す、すいませんでした!学園長先生にしかばれてないと思ったんですが…あの、こ、このことは誰にも言わないで下さい!お願いします!」頭を下げて懇願してきた。いやいやどういうこと?と思ったタカミチだったが、「学園長先生にしかばれてない?」頭の片隅にあった嫌な予感は的中した 。学園長先生はどうやら騙していたらしい。単に悪戯か、彼の性格の良さを見せるためか、だがまあ確かに彼は嘘はつかなさそうなタイプだろう。「証拠」も出してないのにこんなに慌てふためくとは…「いや、ごめんね。君の人の良さは分かったよ。君がどんな人か知りたかっただけなんだ」そう言うと猛は安心したらしくほっとしていた。それを見たタカミチはばれないように笑った。「有難う御座います!」と言い残して走って行ったが、「100bを4秒か…多分それ以上あるだろうね(汗」と呟いたタカミチだった。
「優しそうな人だったな…あ!名前聞いてなかったなぁ。次会ったら聞」「「本郷先生いらっしゃーい!!」」(パァンパァン!)激しく鳴らされるクラッカーに目を見開いた猛。そこには豪華絢爛な飾り付けがなされていて皆が笑顔で待ち構えていた。「こ…これって…僕だけの為に?」「そうだよ〜!」と明石 裕奈さん。あ、思わず涙が、「あ!先生泣いてるです〜!」「い…いえだって嬉しいじゃないですか!今までそんなことされた事無くて、嬉しくて嬉しくて…うぅ」「泣き虫はアカンで?先生」木乃香さんが一生懸命背伸びして 頭を撫でてくれた。何て愛らしい子供たちなんだろうか。猛は思わずはにかんだ。
「…だけどまさかお酒を出すなんて…」今酔いつぶれていないのは猛とジュースしか飲んでない刹那、真名。あとはギリギリ酔ってない楓くらいか?あとは酔ってるけど寝てない明日菜と木乃香。その他は皆見事に酔いつぶれていた。「お酒を目の前で飲むなんて…僕一応先生なのに」「ネギ先生の時も皆こうでしたよ。気にする必要はありません。むしろ本郷先生の前だと安心できる。ということですよ。」「そ、そうなんですか?」「はい!」満面の笑みで答えた刹那、思わず赤くなった猛。それが気付かれることはなかったが。「…それに、拙者達も聞きたい事があるでござるからな」初めて口を開いた長瀬 楓。その言葉にビクついた猛。「だ、大丈夫でござるよ。拙者達はお主を敵とは思っとらんでござる」訂正するように両手を振る楓、刹那「そ、そうですよ。」

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