「ディケイド…お前だけはこの世界にいてはならんのだ!」ディケイドを何故か憎む謎の男、鳴滝は今回ディケイド資格者、門矢 士へとんでもないことをした。「…何だこの絵は」様々なライダーに出会う前、必ず家(?)にある絵掛けからその世界のライダーに何らか関係する絵が出てくるのだが。「どこかの都市ですかね?」夏海はその絵を見た第一印象を言った。「ふざけんなよ!英語なんか喋れっか!」その絵は都市のようなそれでもどこか…「日本ですかね?」夏海が言った。「日本にこんなとこ在るわけないだろ」「とりあえず出ましょうか」2人は家(?)を出た。………すると。「お、おい。夏ミカン?」「あ…あれ?士くん?」2人は何故か、巷で言う、所謂「二次元の体」になっていた。「え…何がどうなってんだよ!」いきなりの事態に驚きを隠せない2人。すると。「士先生!おはようございます!」いきなり見ず知らずの女の子に話しかけられた。「だ、誰だお前は!?」普通の反応をしたはずだが、その女の子は「?」顔。「誰…って、先生、自分の生徒の顔も忘れたの?」大丈夫?なんて言われる始末。今までにない事態。これまでの世界では誰も士のことを知らなかった筈だが。「明石 裕奈!もー寝ぼけたら許さないよ〜?」そう言って走り去った。明石 裕奈とやら。士はもう一度言った。「…何がどうなってんだ?」裕奈が走っていったその方向は、先程見たあの絵にあった都市のようなそれでもどこか…のような感じの「…学校か?」「…ですね」2人はムリヤリ納得した。




「夏ミカン。俺はどうしたらいい?」「…私に言われても」今2人は裕奈が走り去った道を辿って「麻帆良学園女子中等部」とやらに着いた。「何でまたこんなことに…」このアニメ世界での自分は、「麻帆良学園女子中等部3年A組副担任」だったのだ。「担任教師は誰だ?俺の担当は何だ?俺はこのアニメ世界で何をすればいいんだ!?」半狂乱状態に陥った士を夏海はなだめていた。「落ち着いて下さい!今は冷静に…」その時だった。「あ、士先生!夏ミカンさん!おはようございます!」見た目は子供。着ているものはスーツと。学園には珍しい子供が話し掛けてきた。何とか冷静を装って返事を返した。「よ、よぉ」「どうかしたんですか?」「い、いや…何でもない。これから授業がある。じゃあな」「え、士先生。今日は会議の日ですよ?僕と先生も行かなきゃ」…え?僕?「僕3年A組の担任ですから」…「なにぃぃぃ!?」
………思わず叫んでしまった。無理もない。こんなガキが担任だからな。見た目10歳くらい。労働基準法で訴えるぞ。「ど、どうしたんですか!士先生!」士は思いを張り巡らした。初めて変身したことから昨日の晩御飯のポトフの味まで。…いくらか冷静になった。「いや、何でもない。寝ぼけてたようだ」「そ、そうですか。あ、夏ミカンさん」「はい!?」「今日は夏ミカンさんも会議に出席して下さい」「え゛」何故このガキが夏ミカンと呼ぶのか置いといて、夏ミカンは一体なんの仕事をしてるんだ?「図書館島の管理人です」図書館島?なんの島だ?どこに向かってくじけずに笑って進めばいいんだ?「それはひょっこりひょうたん島ですよ…士先生。大丈夫ですか?」「い、いや…大丈夫じゃないらしい…悪いが少し寝させてくれ」「は、はい…保健室、分かります?」「…あぁ、忘れた。このままだとどうにかなりそうだ…」「え!ダメですよ!気をしっかり持って下さい!」……それから保健室に連れてかれ、そこにいた容姿端麗(アニメは分からんが多分美人なんだろうな)の源 しずな先生とやらに看護してもらうついでにいろんなことを聞いた。まずあのガキの名前はネギ・スプリングフィールド。麻帆良学園女子中等部3年A組担任。そして俺は麻帆良学園女子ああもうめんどくさい副担任で担当は歴史。あとオマケ付きでこの学園の地図と3年A組の写真付き名簿を貰った。「よし…これでなんとかしのげる」「何の話かしら?」「いや何でもない此方の話だ。頭も治った。俺は行くぞ」「ええ。行ってらっしゃい」生意気な年下の男にナメられているのに怒らない。大人の魅力か?「ふむ。3年A組はここか…」夏ミカンは先程図書館島に連れていった。抜かりはない。ちなみに今は朝のHRらしい。1時間目はいきなり歴史らしい。範囲もクソもないし歴史の知識もないが教科書みてそのままやれば何とかしのげるだろう。教科書なども何とか用意してきた。あとは字の問題ぐらいか?ああもうどうにでもなれ。扉を開けるとまあそこにはアニメ特有の二次元のいろんな髪の色といろんな瞳。「オタクだったら可愛いとか言うんだろうな」士は誰にも気づかれないように呟いた。「先生!遅いよ!」「待ちくたびれたですー」「もー先生ったら…」三者三様ならぬ三十人三十様の反応。「遅れてすまない。もう大丈夫だ」「それではもう一度朝の挨拶を」ネギの言葉に雪広 あやかがいち早く反応。皆も。「おはようございまーす!!!」
「ああ、おはよう」いい絵になってるな…一枚写真でも撮るかな?「あー!また許可無で写真撮ったですね〜!」…また?「いいだろ減るもんじゃなし」士にとっては初対面なのでやりにくいが、これぐらい親しくしておけばいいだろう。「じゃ早速授業始めるぞ!」…それから約1時間後…「何とかしのいだぞ…」げっそりしていた士。慣れない手付きで黒板に文字を書き、教科書を読む。途中で無駄話を入れたりして時間を稼いだりした。そんなこんなで疲れた。「兎に角休もう。あと何か買っとこう」そういえば今日はまだ何も口にしてなかった。「…パンでいいか」手持ちの金は一応大人買いしても三・四回まで許されるぐらいあった。「俺こんな金持ってたか?」また疑問符が浮かぶ。士は普段金は必要最低限しか持ち歩かない。この世界は一体?…そう考えていると、士に近づいてきた1人のサイドポニーテールの少女。「…桜崎 刹那か」「はい。士先生、今日の仕事は大丈夫ですか?」「仕事?授業なら終わったぞ」「そっちではなくて、魔物退治の方です」「魔物?」何だか分かってきたぞ?「夜の魔物退治ですよ。学園パトロールです。士先生の本業はそっちでしょう?」成程ね。だからあんなに金持ってたのか。あれは仕事の報酬というわけだな。「ああ、分かってるよ…何時だかは忘れたが」「深夜0時から4時の間です。士先生は備えて今から寝て下さい」先生の仕事も重なって大変ですからね。と付け加えて刹那はもう一言「…集合場所は世界樹広場前ですからね?」「…すまん」………只今深夜0時、世界樹広場前。「士先生は北をお願いします。私と真名は南側を」「ん」適当に返事をして歩き出した。「…魔物、ね。グロンギとかファンガイアの類か?」……「…ん?」今何か声がしたか?「お、おい!」士は声のする方向へ。すると。「士先生!」刀や銃を持って魔物たちと戦っていた2人がいた。「…そういうことかよ」溜息をつきながら士はディケイドライバーのバックルを手にした。腹のところでバックルからベルトが飛び出した。そしてライドブッカーからディケイドカードを取り出した。「変身!」すると「カメンライド ディケイド!」の効果音とともに姿を変えた。「…行くか」仮面ライダーディケイドはここに参上した。「アタックライド スラッシュ!」「はっ!」魔物たちを異常な力で一蹴するディケイド。本来の力を取り戻しつつある彼には魔物の力などゴミに等しかった。…そして数分後には
殆どの魔物を倒した。そして最後の一匹。「い、一体貴様は…!?」「…通りすがりの仮面ライダーだ。覚えとけ!」「ファイナル アタック ライド dddディケイド!」そして見事に必殺技を決めたディケイド。しかし。「…あれほど学園を破壊しないでと言ったのに…」刹那の溜息混じりの声が聞こえた。本来の力を取り戻しつつある彼の必殺技「ディメンションキック」は威力を最低限に抑えても周囲10bを巻き込んでしまうのだ。「いいだろ!魔物は倒したんだし!」「一応です」ピシャリと言われた。真名はクスクス笑っている。「まあ、兎にも角にも終わりましたから、明日学園長に連絡をお願いします」「ああ」あとで分かった話だが、士の報酬は真名にひけをとらないらしく、凄まじいものであったそうだ。しかしそんな士たちを見る男が1人。「ディケイド…貴様はこの世界で永遠に生き続けるのだ」…鳴滝であった。



士は機嫌が良かった。何故なら報酬が元ナマで懐に入ってきたからだ。「素晴らしい世界だな…ここで永遠に生き続けるのも悪くないかも」ところがそれを許さない人が。「な…夏ミカン!?」「今…何と?」拳をぱきぽき鳴らしながら歩み寄ってくる。「夏ミカン!誤解だ!金に目が眩んだだけだ!」今の言葉は火に油。「金ニ、目ガ眩ンダ?ソンナコトヲ考エルツカササンハサイテイ。ワタシガノウミソヲハカイシテアゲルヨ?」「や…やめるんだ夏ミカン!いつからお前はヤンデレになった!」「ソンナハシタナイコトバハイケナイヨ?ツカサクン?」「う…うわー!」

…只今お仕置き中…

「…ひどい目にあった…」士の鼻には絆創膏が貼ってあった。夏海にやられたのだ。「…とりあえず、教室でも行くか」その時だった。「士先生!」来たのは傷だらけの刹那。「どうした!何があった!?」「今はネギ先生たちが耐えてくれています!早く!」そうして行くとネギ達が魔物の大群と戦っていた。「…くそ!」士はいち早くディケイドに変身した。大群に突っ込んでいく。「うおおおお!」「士先生!」「大丈夫か!?」「何とか」しかしだった。異常なほどの数。「多すぎだろ!」「一般人の方々がどこにもいなくて!何がどうなっているのか分からないんです!」「嘘だろぉ…!?」そう言った瞬間。士を言い知れない衝撃が襲った。「うがぁっ!!」変身を解除してしまった士。「士さん!」そして士に近づいてくる魔物の長らしき者。「ディケイド…ここで死ぬがいい」
第一部 終

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ