ここは麻帆良学園。 かなりの大規模な学園である。今日も生徒たちが行き交う中、異様な気配が漂っていることに気づいたのは少数の実力者たち、その中にはとある10歳の子供も含まれていた。

「刹那さん…この気配は一体…?」その子供とは麻帆良学園中等部3年A組担任 ネギだった。「わかりません…魔獣とは違うようですし…」そう言うはネギが担任するクラスの一人、桜崎刹那だった。 不気味なねっとりするような気配。まず「危険」だ。あまりにも、 二人の後ろにいるのは神楽坂明日菜、近衛木乃香。明日菜は髪を鈴でまとめたのがチャームポイント。木乃香はおっとりした雰囲気の持ち主だ。

ところ変わってここは麻帆良学園より少し離れた場所。一人の青年がその「気配」をたどって麻帆良学園女子中等部前まで来ていた。「まさかこんなところにまでアンデットが出現しているのか…」男の名は「卯月カズマ」。とある「力」の二代目の持ち主だ。「とにかく行かなきゃ…被害が出る前に!」
男はバイクを走らせた。

そして今は麻帆良学園職員室。 かなりの実力を持つ教師たちが緊急会議を開いていた。会議内容は無論、朝っぱらから立ち込める暗雲の討伐である。生徒たちには自習と伝えてあるが、例外もいた。それは先程話した刹那もそうだが、もう一人、龍宮真名という若きスナイパーもそう、そしてかつて悪の魔法使いと恐れられたエヴァンジェリンA.Kマグダウェルもその一人だった。

このままでは皆が危ない。教師全員が焦っていた。しかしその時、一人の女子生徒の叫び声が聞こえた。急ぐ人たち、恐らく今の悲鳴は生徒たちの耳にも入ったであろう。誰かが来る前に何とかしなければマズい。

悲鳴のする方へ行くと一人の男と、きっとこいつの仕業だろう禍々しい気配を持った人型の物体が対峙していた。「一体…何が起こっているんだ!?」混乱状態のエヴァ、そして何が起こっているのか理解不能のネギ、その中で唯一、刹那のみが現状を把握できていた。…が、すぐに混乱した。「……変身!」『turn up』そして男の腹部にはベルトらしきものが現れ、バックル(?)から何やら四角形の光線らしきものが出てきた。するとどうだ、男がそれに向かって走ったと思ったら、次の瞬間男は、異形の体(?)を身に纏い勝手に戦いを始めたのだ。しかしこの戦いの一人と一匹、魔力も気も感じられない。なのにも関わらず自分たちよりも上の戦いをしている。皆ただ困惑していた。
その戦いは男が勝った。なのにあの怪人(判別ができないので仮に怪人とする)は死なない。すると男は一枚のカードを取り出し、怪人に投げつけた。その瞬間怪人の体はカードに吸い込まれるように消えた。
「ふう…やっと終わったか………!?」 ネギ「…」
刹那「…」
エヴァ「…」
「変身」を解いたその男は不味いといった顔でこちらをみる。「…あなたは一体…?」 それがこれから起こる大事件の発端だとは、その時はまだ誰も気づかなかった…
「…ふむ、君はそのアンデットとやらを追ってこの学園に来た。というのじゃな?」
そう言ったのは麻帆良学園学園長。
「はい。あ、あと僕は卯月カズマと申します。」よろしくお願いします。と付け加えてお辞儀をするカズマ。その態度に皆は一応安心していた。が、逆に興味を示しまくってる者もいた。「それより…カズマとか言ったな?あの力は一体何だ?魔力も気も感じられないのでな。不思議に思ったんだが…」そう言ったのはエヴァである。彼女は好奇心が旺盛なのか、遠慮なしに聞いてきた。まあエヴァが聞かなくとも違う誰かが聞いたのだが… 「えっと…答える前に…魔力とか気とかって…何なんですか?エヴァンジェリンさん」皆その質問に唖然とした。当然あのような力を持った人間が魔力や気のことを知らないとは誰も思わないからである。「エヴァでいい。貴様、本当に知らんのか?」「はい」 だが確かにこの男からは魔力も気も感じられないので、分かりやすいように説明した。「成る程…凄いなあ〜そんな人達がこんなにいるのか…」「さあ!答えたんだから貴様も教えろ!さあ!」「あ…はい、これは…そうですね…皆さんは『仮面ライダー』ってご存知ですか?」
「………」皆固まった。確かに知っているが、まさか自分が仮面ライダーとか言うんじゃないか?とか、だとしたらかなりの電波だ。
「はい、僕はその仮面ライダーの一人、『仮面ライダー剣(ブレイド)』です。」「一人?ということは君の他にも仮面ライダーがいるのかい?」「正確に言うともう残っているのは僕一人です。」 「?…それはどういうことだい?」タカミチ・T・高畑の質問に穏やかに答えるカズマ。しかし「僕以外は…死にました」皆が動揺した。それからカズマは自分の過去を答え始めた。
この力を手に入れたのはまだ中学生のときで、偶然このベルトを拾ったらしい。その力に気づいたのは家族と山にバーベキューに行った日、突然怪人が自分たちを襲ってきたのだ。気づけば親は既に殺され、次は自分、カズマは祈るような気持ちで拾ったベルトを手にとった。すると自分の脳裏に映像が浮かび上がった。それはこのベルトを手に戦う一人の戦士。 今自分はそれと同じ立場。逃げれば死ぬ。ならば、と思いベルトを手に、そして映像の中に出たカードを挿入。変身。漲る力は圧倒的だった。勝負はすぐに終わった。そしてカズマは見た。映像の中にはこのベルトを使った人やその仲間が死んだのを。「ならば僕は二代目か…」
「…ほう」珍しくエヴァが聞き入っている。ネギたちもだ。そして学園長が言った。「してそのアンデットは今はもういないのかな?」すると驚きの一言が返ってきた。「いえ、まだいます。」「しかしもう気配はないが?」皆が驚く中、学園長一人が冷静に聞いた。「恐らく、強いです。上級のアンデットは気配も消せるみたいですからね。」その時龍宮が初めて口を開いた。「私の魔眼ならいけるかもしれない」この龍宮真名、何の因果かスナイパーのくせして神社の巫女なのだ。つまりそういったもの気配は人一倍感じとれる力を持っている。「ふむ。なら龍宮君、カズマ君、任せてよいか?報酬は弾むぞい」真名「分かりました」カズマ「報酬ですか…有難う御座います。この所生活費に困ってて…」それから龍宮と超貧乏仮面ライダーは学園を見回りしていた。「カズマ…さんでいいかな?いくつなんだ?」「あ、今年で24になります。」「!?」内心驚いた。カズマはとても24には見えないのだ。少なくとも自分と同じ年に見える。「そ…それはすいません(汗」「いや、カズマでいいですよ。堅苦しいのは嫌だし…」そう言って笑うカズマに顔を赤く染めた真名、「(可愛いな)」「?」それから数分程経った時、もう辺りは暗い。その時、「?」嫌に気色悪い気配が、「アンデットかな?」「…うん。」身構える二人。目の前にはアンデットやらが、「!」無言で銃を構える真名、「変身!」仮面ライダー剣に変身したカズマ。兎も角二人は向かった。が、「「うわっ!」」はじき飛ばされた二人。カズマは無事だが真名がまずい。「この野郎!」カズマは新たにカードを5枚自らの体に挿入した。すると忽ちカズマの体は変化を遂げた。カズマ自身も何度も変身したが知らないこれは「キングフォーム」である。もう勝負などとは言えないものだった。一方的で圧倒的。カズマは直ぐにアンデットを倒し、真名を医務室(保健室)に運んだ。





次の日、 「カズマはどこだ!」真名はカズマを探していた。会って間もない男に助けられ、礼も無しに別れるのは自身のポリシーに反するため、「真名!落ち着け!」刹那がなだめているが真名は聞こうとしない。仕方なく「!!」怪我のところを突く。「お前!」「カズマさんなら、もうここにはいない!」「え?」刹那の話によるとカズマは多額の報酬を受け取った後、ヒーローはカッコ良く去ります。とかいって帰ったらしい。「あの男!」今度会ったら逃がさないと決めた真名であった。

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