「はっ、」
「あ」
大変です。この連載で初のToLOVEる発生です。
「何で土方さんがここに居るんですか」
「そりゃこっちの台詞だ。何でテメェがこんなとこ居るんだよ」
「私は例の如くアンタんとこのサド野郎にこき使われてんですよ」
「またあいつかよ。お前もたまには断れよ」
「何言ってんですか。『今日の風呂掃除俺の隊だからシクヨロ』とかふざけたこと抜かして行きやがって抵抗したら『風呂掃除と死ぬのとどっちがいいですかィ?』とか言われて結局抵抗出来なくイライラしながらここのドアを開けたら半裸の土方さんとご対面でもうめっちゃイライラします」
「何で俺で更に気分害してんだよ。ったく気分悪ぃのは俺の方だ。何が悲しくてテメェとこんな所で鉢合わせなきゃならねぇんだ」
「まぁ、半裸と言っても上半身だったのは不幸中の幸いですね。もし下半身だったら猥褻物陳列罪で訴える所でしたもの」
「さっさと出ていけ」
「嫌ですよ。あのサド野郎に何言われるか分からないじゃないですか」
「俺が入った後からでもいいだろうが。つーかむしろそっちの方が良いじゃねぇか。一掃できてよ」
「嫌ですよ。何で土方さんが入った直後の風呂場の掃除なんかしなくちゃならないんですか。土方さんの使った直後の風呂桶、座った直後の風呂椅子、入った直後の湯船、ああ、気持ち悪い」
「気持ち悪ぃのはテメェの脳内だ。何気色悪ぃこと考えてんだよ。セクハラで訴えるぞ」
「ならここは私に譲ってくださいよ。すぐ終わらせますから。そして一番風呂にでも入りゃ良いでしょうが」
「強情な女だな。まぁ良いここは俺が大人しく引いてやる。その代わりとっとと終わらせて一点の汚れもなく」
「チッ、注文の多い姑だな」
「何か言ったか?」
「いえ、なにもー」
そうして私たちは別れました。
ToLOVEるなんて、そうそう起こらないのがこのお話のつまらないところです。
(あいつ、女として少しは恥じらい持った方がいいな)
(土方さん、いい体つきしてたな)