電車の中にて、
「生まれ変わりたい」
「は?」
「生まれ変わって世界中の可哀想な人々を導いてあげたい」
「お前何言ってんの?」
「土方君は生まれ変わりたいって思ったことはないの?」
「そこまで思いつめた事はねぇっつーか、突然どうしたんだよお前」
「ただふとそう思っただけだよ。あー、生まれ変わりたい。次は新世界の神になりたい」
「夜神さんちの息子か」
「土方君の突っ込みはいちいち的確だねぇ」
「今日のお前は全く持って意味不明だな。いつも意味分かんねぇが今日はいつにもまして意味分からん」
「何を言っているんだ。私は信じている、君なら分かってくれる」
「俺はお前じゃねぇからお前のことなんか分かるか」
「理屈じゃない。考えるんだ少年。そして開くのだ道を」
「本格的に何言ってんのお前怖ぇな」
「目付き悪い君に言われたくないよ」
「んだよ面倒臭ぇなぁ、
……ああそうか、お前眠いのか」
(ほら、よく分かっていらっしゃる)
そう思った瞬間土方君は肩を指差した。どうやら通じたようだ。
「ほらよ」
「どーも」
「唾たらすなよ」
「努力します」
少し高い土方君の肩は寝心地はよいとは言えないが、この際文句は言えないだろう。
私たちの目的地は終点だ。
(でも良く分かったね。)
(お前が意味不明なことを言う時は眠ぃ時か死に追い詰められている時だからな。)
(後者重いよ。)