お題

□ソールドアウト
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やっとだ。やっと。

奇跡のような幸せがやってきた。まさかアスランまでキラと同じ気持ちだと思わなかった。キスがぎこちないのは,緊張しているせいだとアスランが笑う。

シーツに倒れ込んで,握られた手に力が籠もった。奪うような性急なキスに変化していく様が怖くて。また,未知の体験を前に胸がなる。

『ぁ…』

漏れた声はアスランへの拒絶ではない。正確には恥じる自分を拒絶した。これからの行為は結ばれたふたりの祝賀であり,今から始まる新しい絆だから。

『アス…ラン』

たっぷりと時間があるせいか,呼ぶ声まで余計に溜めてしまう。何をしてもアスランは笑ったりしないと分かっているのに,粗相をしやしないか不安なのだ。

もうキラからの言葉なんか要らない。口を挟む暇もないほど,アスランでいっぱいにして欲しい。アスランのことだけ考えて,もう何も見たくない。

『キラ』

幸せな時間は痛みと一緒にやってくる。そして痛みさえ幸せに変わる。アスランの腕に抱かれながら,キラは睫毛を震わせた。




―幸せな世界編―FIN
スチル回収率86%



「あぁ。アスランってどうしてこんなに恰好良いんだろ」

EDを見守りながらキラは呟いた。キラの理想を詰め込んだわけだから,当然と言えば当然なのだが。とにかくご満悦だった。


「僕もこんな風に愛された〜い。…絶対無理だけど」

夜中にテンションの乱高下を繰り返すキラ・ヤマト。PCの前でくねくねしてぶつぶつ言うのはかなり怖い。



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