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□手本なし
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こんにちは。赤服シン・アスカ。悩める乙女座です。本日の天気(ってか調整)は晴れ。白服自己中帝王キラ・ヤマト様は連日不穏な動きです。




「だあっああぁ゛〜〜〜!!!!」

「うわ!どしたの!シン君。ラクスに小さき方って虐められた?大丈夫だよ!僕より大きくなるって。普段イザークがうろうろしてるから相対的に」

「誰が背の話をした...」

シン・アスカの重低音なんか初めて聞いた。虫の居所が悪いらしい部下に,キラはきょるんと返した。

「違うの?」

「(なんだ,その擬態語)――違うだろ。手元の書類見やがれ」

「ん」

「通し番違ってんだろ。しかも1枚どころか3枚飛び抜かしてずれてるだろ」

「え」

「暫く待てば気付くかと後追いで修正してんのに,さっきは更に飛ばしやがって。言えキラ!業務に差し障る!」

だいたい上司様がこうなる時はアスラン絡みなのだが仕方ない。この書類は400Pある。後半もこの状態では2人でやる意味もない。

議長閣下から直接仰せつかったこの仕事。遅刻なんざしたらシンが殺される。少なくとも火の粉は浴びる。

だから嫌々聞いたのだが,キラはあからさまに反応しつつとぼけたのだ。

「へッやっ!ななな何でもないよ」


こういう反応にも,シンのナイーブな心はズタズタにされるのだった。

(ナイーブとか久しぶりに使ったぜ)



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