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□勝算なし
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「あんっの男…許さないんだからぁ!」
今日も平和な白服キラ・ヤマトの執務室。仕事は溜まり,冬の寒さが身に凍みる本日。赤服シン・アスカの上司様は大層お怒りのご様子だった。
事の起こりは遡ること1時間前。いつものように,単身赴任のオーブ軍在籍アスラン・ザラがキラに"ある物"を渡したことがきっかけだった。
「キラ。これを見て言うことはあるか?」
「こないだの健康診断結果?全部クリアしてるじゃない」
「どこがだ。体脂肪率…何だこれ!平均マイナス5%だと?痩せ過ぎだ」
併せて食生活などの生活調査の結果まで。間食が主食になりつつある点と,栄養補助食品ばかりとっている点が引っ掛かったらしい。
真面目に答えるんじゃなかったと思っても後の祭りだ。
「その基準がおかしいの。お偉方の中性脂肪が過剰に計算されてるんだよ。アスランだって細っこいくせに何を「俺は基準値だ」
「はぁ?ちょっと見せなよ」
「今手元にない」
「馬鹿。今すぐ脱げって言ってんの!」
「ちょちょっ!あんた何言ってんだ?」
キラのびっくりな発言に,思わずシンは口を挟んだ。
「全く…」
「ってあんたも素直に脱ぐのかよ!!」
いつもの低レベルな言い争いだと思い放置していたのに。何故かこんな大事になってしまっている。
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