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□職場恋愛禁止です
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『君たちが今年の赤なんだ。宜しくね』

初めての一目惚れ。
俺はその時,今までの恋は全部本当のそれではなかったと知る。





▲▽▲▽ 職場恋愛禁止です ▲▽▲▽▲



『はじめまして。僕はキラ・ヤマト。君たちの2期上の18歳で男です』

着慣れた赤服は確かに2年分の重さがあって,彼がそれだけの物に耐えうる器だと知った。

『どうしてそんな分かりきったことを仰るんです』

ざわめきの中アスランが口を開いたことに,キラ・ヤマトは多少は興味をひかれたらしい。

『何が分かりきったことなの?』

『貴方はとても綺麗だけど,女性には見えません』

『うん,いい質問だ。アスラン・ザラ。君が言う通りとても分かりきったことで,僕がこの服を着てても…何故か女の子と間違える人がとても多くてね?
だからわざわざ毎回,間違われる前に言ってるんだ』

笑っているけれど目が笑っていない。言葉にはこれでもかと刺がデコレーションしてあって,ざわめきはいつの間にか止んでいる。

『そうですか。ですが自分は』

まだ続くのかとキラ・ヤマトは軽く小首を傾げた。剣呑な表情。だがそんな顔をしても彼の小綺麗さが霞むわけもない。

『貴方が好きですよ』

アスランのこの発言が,色々な意味でザフト史に一石を投じたのは間違いない。

『君…人のこと馬鹿にしてるの?』


絶対零度の微笑みで,切ってねじ伏せられた。
ファースト・インプレッションは『最悪』
それを翻すための戦いが始まったのは,アスラン・ザラ16の年のことだった。



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