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□幼なじみのいる処
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それはよくある,愛を交わした日の朝のこと。重い体も頭の痛さも節々の痛みも,全部全部アスラン・ザラのせいなのだ。

久し振りで羽目が外れたとか言う馬鹿一佐のせいで,キラは起き上がるのさえ億劫だった。勿論同意はしていたし,悪いばかりではないがそれはそれ。

とにかく冷たい床に足先を付けて,シャワーを浴びに行こうとした瞬間のことだった。

「あれ?」

傾ぐ体に踏みとどまる力はなく,遠ざかる意識と近付く床。

次の瞬間,アスランの腕が脇の下から回っていて,彼に抱えられていた。後ろの幼なじみに抗議しようと,勢いよく振り返ったら鈍く痛む。

「キラ…?」

「君さぁやりすぎなんだよ。もう足に力入んないじゃん」

「キラ」

「何してんの?怒ってるのは僕なんだけど」

「お前,熱あるぞ」

ぺたぺたと軽くほっぺたを叩いたアスランはそう言った。自分には縁のない単語に我知らず間の抜けた声が出る。

「は?」

「やっぱりこの季節に裸はいけなかったか。至らなくてごめんな,キラ。今度から着たまましよう」

「何ふざけたこと言ってんのさ!熱いのは君が変なこと言うからでしょ」

「熱あるって。ほら」

無理やり耳に突っ込まれた体温計は,今流行りの数秒で測定出来る代物だ。デジタルのマッチ棒を並べたような数字は,確かに発熱を示していた。



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