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□放置プレイは程々に
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キラは料理が出来ないと言い張っている。ラクスもアスランも出来るんだから,自分くらい出来なくても構わない。

そんな無茶ぶり論理で,理詰めアスランとやりあおうなんて10年早い。

「お前のは出来ないじゃなくてやらないんだろ?!」

「うっるさいな!だから今やってるじゃん」

後ろの監督者に文句を言いながらも,キラは菜箸片手に真剣だった。やろうと努力することを認めて欲しい。アスランは完璧を求め過ぎる。

「完璧?俺は白身魚を炭にするなと言ってるだけだろうが!」

「だから出来ないって言ってるんだろ!おんなじこと何回も言わせないでよ!真面目馬鹿」

アスランのこめかみがぴくりと波打った。いつもの笑顔に,低くて通る声。携帯ゲーム機を持ったアスランはさらっと言った。

「このデータ消すぞ?」

「ちょっ嘘…!止めてよ,鬼畜ぅー!」

「なかなか楽しいこと言うな。キラは…」

カチカチとボタンを押す指の動きを見て,キラの背中に冷たいものが流れる。小分けしたセーブデータを全部消す気だ。アスランは本気だ。

「…ごめんなさい。お願いだから止めて下さい」

「ったく。お前が料理失敗する理由が分かったよ…」

データ削除を止めたアスランは,ゲーム機を棚の上に置いて嘆息する。



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