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□変化なし
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俺の名前はアスラン・ザラ。若干18歳にして2度の対戦を潜り抜け(然も最前線)ようやっと平穏なデスクワークに着いた。

オーブ担当の筈なのに,上の人間がやれ視察だの交流だの宣うせいで,上(プラント)に行くのもしょっちゅうだ。

「あ〜ん。もう眠いー」

「分かったからどけ。邪魔だ」

俺は不機嫌も隠さず,体を横たえ,デスクの半分を奪取している幼なじみに言い放つ。

「ん〜やだ」

「その目は飾りか?俺のこの状況を見て,お前のなすべきことをやれ。今すぐやれ」

「ちぇ。つまんないの」

男にしては高くて甘い声。小さい時から変わらないのはその容姿だけか。殺し合い,共闘した俺たちは今でもちゃんと友達だ。

白服がいやに似合うキラは,何にも関心がないようでいつもどこか遠くを見ている。血で染まったなんて,信じられないくらいのまっさらな心だ。

本当のところはよく分からないのだが。

今のキラは我が儘に拍車がかかって女王様みたいで。手綱を取る人間が欲しくて,ザフトはアスランを呼んだのだ。

唯一操縦出来るラクスも多忙だから,全くとんだお鉢が回ってきたものだ。眉間の皺を深く刻みながら嘆息する。

最近の疲れ方は半端じゃない。キラに振り回されているせいだと,半ば確信めいたものがある。



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