鏡を見て、最終チェック
次にＬを見て、反応チェック
「どう？似合う？」
髪を切った 何年か振りに
自分で切ったから幾らか不格好。よく見ると左右非対称。性格がよく表れていると思う。
いつも結っていた栗色の長い髪は思い切ってばっさりと肩につかないくらいまで短くした。
「いいと思いますよ」
「新鮮でしょ」
「あなたはあなたですので それ程驚きません」
「エルは何をしたら驚くのさ」
だって何時でもエルは澄まし顔だし、何が起きても冷静ですって感じだから。
もっと他の顔が見てみたい。
「私を驚かせたいのですか」
「整形したら驚く？」
「中身が変わらないのなら驚きません」
「なにそれ」
「いえ、何も」
「……」
数秒してから、隙あり、とばかりに抱きつく。そして「似合ってるって言ってほしいだけなのに」と今までの人生で最高に女子らしい台詞を吐いてみる。
「驚きましたよ」
「本当に！」
「あなたに全く似合っていない台詞を聞いて」
「失敗かあ」
髪型は似合っていますよ、という皮肉な言葉はＬらしいというか。
「私が本当に驚く時ですか」
「教えて教えて！多分私じゃ無理だと思うから」
「死神が目の前に現れる時、ですかね」
「ないよそんな事！」
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