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□さよなら人間
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人間は死んだら"人間"ではなくなり、只の"肉塊"になるのであって魂は無い。 魂が無いから死後なんて誰も知らないし、知ることはできない。
"死ぬ"という事自体、第三者から見た事実であり当人には分からない。
そう考えると、死ぬという事は怖くないのではないか。
しかし何故人は死ぬのを嫌がるかと言うと、有るかどうかも分からない未知の世界が漠然としていて怖いからだ。
「死ぬのは、怖くない？」
「怖ければ、こんな死と隣り合わせな捜査などしません」
「そう…よかった」
「よかった、とは」
「あなたがもうじき死ぬからよ」
「そうですか」
普通の人間なら相当ショックを受ける言葉を私が言ったのにも関わらず、Ｌはキーボードを打ち続けている
「エルはデジャヴって体験したことある？」
「あります」
「それって、今まで起こったことの無い出来事が、何故か今までに体験したかのように思うじゃない。
でも本当は今までに起こっているの。勘違いなんかじゃない」
「前世で、ですか」
呆れた顔つきで一瞬こちらを見た
「いや来世も、よ」
「そうですか」
「この理論でいけば、来世もエルと私は必ず会えるの。素敵じゃない？」
「はい」
「だから私も死ぬのなんて怖くない。エルも怖くない。」
「すごい２人ですね、私達は」
「ええ」