佐鳴
□『calmrestday』
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ちょっと遠慮がちな訊き方をするのは、恋人がいるかもしれない、と考えてだろうか。
「そうなんだよねぇ…」
「…先生、恋人もいないのね」
「失礼な!
俺にだって恋人のひとりくらい、ちゃんと居るよ〜」
「どうせイルカ先生のことでしょ?」
「あら、当たりv」
愛しのイルカ先生は、今日もアカデミーで授業があるのだ。
日に与えられた任務をこなせばいいオレとは違って、教師であるイルカ先生とまともな休日が重なることは、本当に少ないのが現状だったりする。
まぁ、家に帰れば夜だけは会えるから、とりあえず満足はしてるけど。
「よかったら一緒にお昼食べよっか?」
「え、先生と?別にいいけど…」
いい、と言っても、ちょっと戸惑った素振りを見せるサクラ。
よく考えたら、この年頃の女の子とふたりで食事なんて、少し忍びないかもしれない。
その時ふと浮かんだのは、同班の少年達。
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