佐鳴
□『seductive one's man』
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本日の任務はDランク、蔵掃除および整理。
そこは里のはずれに位置する結構なお屋敷だ。
蔵は向かって左側に3つ、家を挟んで反対側にもう1つの、計4つ。
ひとつひとつ見て回ったところ、なんでも数年間放置していたようで、室内は埃をかぶって酷い有様だった。
3つ並んだ蔵の中でも、最奥の蔵は凄まじい数の巻物や、それなりの価値があるものを中心にしまってあるのだという。
いつもは本を片手に一切の手伝いをしないカカシが、依頼人の意向で今回は珍しく任務に参加することになった。
場所割は話し合った結果、ひとりひとつの蔵を担当する事に。
カカシは最奥にある蔵。
ナルトはその隣の蔵。
サクラはナルトの隣の蔵。
そしてサスケはひとり離れて、反対側にある蔵の担当になった。
(うちの蔵といい勝負だな……)
薄暗い蔵に足を踏み入れたサスケは、自宅の裏手にある蔵の様子を思い浮かべた。
うちはの蔵はここと比べ物にならないほど大きくて、そして数がある。
年に1度くらいの清掃は必要だけれど、ひとりでどうにかできるほどの規模ではないのだ。
(…そのうち里に依頼してみるか)
歩くだけで、相当な埃が舞い上がる。
整理云々よりもまず先に、この埃をどうにかしなければ。
サスケは先程渡されたマスクをしっかりと身につけると、床の掃き掃除を始めた。
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