大乱闘小説

□オレが太陽になれたなら
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オレの本音を聞いた時
お前は、なんと言うだろう




「花言葉ぁ?」

そんな意外そうな声出すなっての。
いや確かに、ガラじゃねえけど。

「ん。お前なら詳しいだろ?」

「…まぁ、一応自信はある…かな」

満更でもなさそうなカオ。
ホントは自信満々なんだろうな。
花の話題大好きなクセに、なにヘンな意地張ってんだか…まぁいいけど。

「なんつーの?告白?に使えそうな花、あるか?」

まさに躑躅みたいな色した両眼が、一瞬だけ見開かれた。
その後、視線はオレから逸らされて…

「こく、はく?…じょッ…冗談、やめなさいよ」

んー、動揺してやがるな、コイツ。
その証拠にお前、今何も無い空中ばっか見てるだろ。しかも噛んだし。
わかりやすすぎる。昔から嘘つくのヘタだったけど、変わってないなお前。

「冗談じゃねーし」

バレバレだぞ・とも言ってやろうと思ったけど、機嫌損ねさせると厄介だからやめた。

「こ、く、は、く、に使えそうな花。あるか?」

要求をもう一度、わざわざ部分的に強調して繰り返してやった。

「ふーん…告白…ねぇ…」

全然納得してない様子で悩ましい表情を浮かべてた時間は、ごく僅か。
すぐに顔を上げて、こう聞いてきた。

「ね、告白ってさ、誰にするの?」

やっぱりな。絶対聞かれると思ってたよ。

「誰が教えっか」

「なによ、勿体振らなくてもいいじゃない。早く教えなさいよ」

「やーだーね」

「ヒントだけでも!ね?」

ったく、なんでオンナってのは他人の色恋沙汰に興味津々なのかねぇ。
一応、言い訳っぽいモノ考えてきたけど…効くかな。

「ヒントか…んー…強気でワガママで、ちっこい生意気なオンナだよ」

これでもかと与えてやったヒントだったのに、目の前にいる本人はまだ頭を悩ませている。
鈍感すぎだ、バカ。
あーあ、オレ報われねー。

「…誰?それ」

「あ?」

「そんなひと、いたっけ?全然思い浮かばないんだけど…」

冗談を言ってる眼じゃなかった。
コイツは本当に、ニブい。

「ま、今聞かなくてもいいだろ?そのうち分かるんだろーし」

誰と誰が付き合ってるだとか恋してるだとか、そーゆうネタはウワサになりやすいからな。

「うー…そうだけどー…」

「しつけぇオンナは嫌われっぞ。もーいいから、早く花教えろっての」

久々に口に出した気がする本題。
アイツは少し拗ねたような表情を浮かべて、それでも懸命に思考を張り巡らせてくれた。



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