大乱闘小説
□紅に染まる花
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あたしと兄貴に、
血の繋がりはありません。
あたしがココに、
このチームに来たとき、
アイツはもう既にココにいました。
だから兄貴みたいに感じているだけ。
それ以上の何物でもない、と
…そう思っていたのに。
「ちょっとリザ!それ火気厳禁だってば!!」
「ん?あぁ、そーだな。」
「何平然としてんのよ、危ないじゃない!!」
アイツは、今日の大乱闘で使われたアイテム、爆薬箱を何故か運び込んできた。
ちょっとでも火を点ければ爆発を起こす爆薬が詰まった箱だ。
それなのにアイツは
「ヘヘ、今日のお土産だ、やるよフシ子」
とか言ってる。
「いらないわよこんなお土産!他になんか無かったの!?
てゆーかその呼び方やめてって言ってるでしょ!」
そう、アイツは昔から、あたしの事を『フシ子』なんて呼んでくる。
「いらねぇか…
まぁお前草タイプだしな、危ないもんな」
「危ないのはアンタの頭だよ…」
呟くように言ったあたしの嫌味にはまるで気付かずに、アイツは
「じゃあコレ、ピカにでもやってくるわ」
とか言って、笑いながら去っていった。
…ピカチュウ、かわいそう…
別にあんなヤツ無視してもいいからね!
と、心の中でピカチュウに語りかけた。