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ぼくのなまえは?
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「あ、そうだ中村さんこれ、」
「…それ、禁止。」
「へ?」

わたしは今中村さんの部屋に居る。
適当に持って来たお菓子を渡そうとして差し出した手が中村さんの突然の言葉に空中で止まる。
その言葉の意味がよくわからなくて、頭の上にはてなを飛ばしていると、中村さんは呆れたように溜息をひとつ吐いてから、

「名前。」

と、言った。

「?名前?」
「そう。お前俺のこと何て呼んでる?」
「え、中村さん?」
「うん。だからそれ禁止ね。」
「???」
「だーかーらーっ!」


「苗字で呼ぶなつってんの!!!」


「…へ?」

あまりの突飛さに、思わず固まる。
えーと、苗字で呼ぶの禁止ってことは、えーと、えーと…

「…下の名前で呼べということですか…?」
「うん。」
「あぁ、なるほど!
…って、えぇえっ!?」

一旦納得しそうになったけど、事の重大さに、思わず大きな声が出てしまった。

「えぇ、って、そんなに驚くことか?」
「いや、だって、そんな、恐れ多いですよ!中村さんを名前で呼ぶなんて…!!!」
「何で?あぁ、あと、その敬語ももういい加減禁止。」
「えぇえっ!?だだだだめですよ!」
「何でだよ。」

いや、何でってあなた…!!!



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