隠の王


□意識半分夢心地
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アルヤ学院で、壬晴の森羅万象発動に巻き込まれ、私は結構な怪我を負ってたりした。(宵風には負けるけど)


何だかんだとシリウス学院長の死で幕を下ろした今回の事件だけど、なんか萬天のメガネも怪しい感じかするんだよね、


一段落着き、私が大人しく外のベンチに座っているうちに壬晴はあの、“しじま”って子から蛇薬の書をもらったらしく、最後はなんともあっけない感じ。てか私、足捻挫までしたのに微妙に忘れられてますー?



「おら、帰っぞ」
「雪見!姫抱きしてよ」
「ぁあ!?」

うっわ、なんか凄く拒絶されたよ。



「だって、宵風ばっか狡い」と、私は雷光に姫抱きされてる宵風を指差した。


「子供かお前は!!!」
「だってー……」

「………」



微妙な沈黙が私達の間に流れた。そこまで嫌なわけっ!?


そんな沈黙をやぶったのは無論のこと私な訳で、


「じゃぁおんぶでいいです……」





なげやりにそう、吐き捨てると大きな溜め息と共に雪見は体勢を変えて、私に背を向けてしゃがんだ。



「俺だって疲れてんだかんな」




そんな小言を言いながらもおぶってくれるのは雪見の優しさと受け取ることにしよう。



私が遠慮なしに背中に乗ると小さく「重っ」と呟いた。

失礼な奴め…。






雪見の背中に乗ると、壬晴は萬天の人達に嫌味みたいなものを言って「早く帰ろう」と私達に促した。



「あー、なんか眠くなってきたー…」

「寝んなよ!?もうすぐ車着くから寝るなよ!!」



必死に私に対して大声を張り上げるけど、私にはその声量の二分の一も聞こえない程、意識が薄れてく。



「んー……雪見ー、」

「なんだよ?寝んなよ」

「昨日の雪見、ちょーかっこ良かったよぉー…」



そう呟いて雪見の頬に口付けた。

次の瞬間にはもう既に、私の意識はなかったけど。



そして私が雪見に怒られたのは7時間後の事である。








意識半分夢心地

(時と場所を考えろ!)(はいぃっ!!)










20080905

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