CROSS OF CROSS
□始まりの交錯
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曲がり角の細道に入ってから五分が経過した。
「この細道、狭いうえに長いな」
「岡崎、僕疲れたよ」
「おまえ、疲れるの早すぎだろ」
「はぁ、まだ出られないのかよ……って、あれっ!」
春原が指をさした先は出口だった。
「よっしゃあっっ!」
春原はさっきまでの疲れがなかったかのように、出口へと走りだす。
「おまえ元気じゃん」
俺はそんな春原に続くように出口へ走る。
細道を抜けた先には。
「商店街?」
「みたいだな」
俺と春原が出た先は、多くの人で賑わうアーケード街だった。
「町外れにこんな場所あったんだな……」
「レストランはどこなんだよぉぉ!」
「この商店街にあるといいんだけどな」
……彫刻の落とし主は結局見失ったか。
「とりあえず商店街を歩いてみるか」
「そうだね」
そんな訳で、俺たちは商店街を歩いてみることにした。