CROSS OF CROSS
□始まりの交錯
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……それは今から五時間前の事。
俺と春原は、町外れに新しくオープンしたレストランがあるという情報をもとに渚達いつものメンバーと食事する約束をし、現地集合という事で町外れ付近まで足を運んだ訳だが……。
「なぁ、岡崎……道、こっちで合ってんのかよ?」
「ここら辺にあるって話だったんだが」
「誰の情報だよ…!?」
「芳野さん」
「あの人の情報ってアテになるのか?」
「おまえの情報よりはな」
「僕って信用なかったんですね……」
そんな他愛ない会話が続く中、俺と春原は直感で道を進んでいた。
「ん、あれは?」
目の前の曲がり角で、何処かで見たことのある人影が。
「なんか落としていったよ?」
春原はそこに落ちた物を拾う。
「なんだろうこれ?」
それはヒトデなのか星なのかわからない彫刻だった。
……ん?どうしてヒトデが真っ先に浮かんだんだ?
「岡崎、これってヒトデ……だよな?」
「おまえもそう感じたのか。……普通なら星とかが浮かんでもいいのにな」
この彫刻、どこかで見た事あるような……。
「これ、どうする?今追いかければ渡せるかもしれないけど」
「追いかけてみるか」
俺と春原は曲がり角から細い道へ入り、ヒトデ?らしき彫刻を落とし主に渡すことにした。