□キミたすボクは
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(テゴマスのキミ+ボク=LOVE?から)


『あ、あのさ、山本……私のことどう思う?』


って、突然聞かれた

どう思うって……

いつの間にか俺らの中にいて、一緒になってしゃべっていたからそんなこと考えたことがなかった

まぁ、でも……


「別に嫌いじゃねぇよ」


正直に答えたら

あ……れ…?なんかいきなり、顔が……すげぇ泣きそう……いや、もうこれは……


「もしかして泣かせちまったか?」


なんだこれ、なんか……すげぇ可愛いかも

いや、泣いてるやつにこんなこと思うのもどうかと思うけど……

でも、こんな顔するんだ…
つか、可愛いなんて初めて思った
なんかモヤモヤする…


「べ、べつに泣いてないし…!じゃぁ……あの、ありがと…」


明らかに泣いてたのを見たんだけど、それでも隠そうとするのもなんだか可愛く思えて、モヤモヤするのがさらに増した。

だいたいなんで泣いてんだ…?

なんだこのモヤモヤするのは…?

なんで可愛いだなんて……

そう頭んなかでぐるぐる考えてたら、走りだそうとした手を無意識に掴んでいたわけで


「あ………」


『え……?』


驚いたように揺れる、吸い込まれそうな瞳と目が合って、
掴んだ手からは体温が伝わってきて、
モヤモヤしてたものが胸の奥で急に騒ぎだした


「えっ………と、その……」


なんて言ったらいいんだ

なんでこんなに胸が騒ぐんだ

なんだこの気持ちは、なんて言うんだよ

どうしたら……どうしたらいいんだよ…


誰か教えてくれ

なんで訳のわからない数学や理解できない国語の教科書や先生はいんのに、
なんでこういうときどうするかが書いてある教科書や
この気持ちについて教えてくれる先生はいねぇんだよ










なんて、
こんなの初めてで、追い込まれていく俺の頭は漠然とそんなことを考えてしまうほど焦っていたわけだ









「………あ、お前はどうなんだよ……」




苦し紛れの質問に狽える姿も可愛くみえてしまうのは、
この気持ちのせいだ





end

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