□焦燥
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柱にもたれ掛かり虚ろに見つめる私の目線は山崎を追い掛け回す土方さん


私の大好きな大好きな土方さん


でも、私がいくら想うと彼の心に私はいない

彼の心を占領しているの死んでしまった彼女


彼女には勝てる気がしない、勝てる自信なんてこれっぽちもない


でも、でも、どうしても、少しでもいいから彼の心に私をいさせたくて、
わずかな時間でもいいからその瞳に私を映したくて、
身体だけの関係を無理矢理のぞんだ


しかし、それでも、彼は私を瞳に映してくれない
ただただ遠くを見つめてるふうな目で私を哀れむだけ

哀れられてもいい、瞳に映してほしい

それすらも叶わない


だったら、いっそう突き放してくれればいいものの


たまに手を差し伸べてくる

やめて


やめて


私なんか瞳にすら映さないのに、優しくするのはやめて


突き放して


突き放して・・・



その優しさが苦しめてるの、わかる?


その優しさが依存させてるの、わかる?


やめて



やめてよ・・・



やめて・・・




苦しくて

でも、

哀れな汚い繋がりを自分から途切れさせたくない私


吐き気がする


いっそう殺してくれたらいいのに




「・・・い・・・おい、大丈夫か?」




あぁ、やめて


声をかけないで



吐き気がする




『・・・・・・・・大丈夫・・・です』




吐き気がする



END

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