黒バス&その他&おお振り 

□初めて聞いた言葉
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先輩が、好きだの、愛してるだの、そういう甘ったるい言葉嫌いなのはしってる
実際先輩はそう言ってるし、聞いたことなんて一度もない

そう一度もない

付き合った日からずっと、ずっと…一度も言ってもらったことがない


でも、ちゃんとそばにいてほしいときはいてくれるし、
今こうやって一緒に帰ってくれてるし、
抱きしめてくれることも手を繋いでくれることも、キスだってしてくれる
(最初は本気でビビった)


だけど、やっぱり一回でもいいから先輩の口から聞いてみたい

疑うつもりはないし、そんなことしたくないけれど、なんだか不安…になるときがある


わかってる、ホントに。
言う人じゃないって、わかってる


でも、

やっぱり…さ……


「言ってほしい……」


「ん?何を?」


帰り、
昼まで降っていた雨はすっかりやんだけど、空気をさ迷う湿気が体にまとわりつく


「あっ、いえ、何も…」


「そう?ならいいんだけど」


「………」


思いきって言ってみようか…

なんて言われるかな…


「あの、先輩」


「なに?」


いいかな…


「あの……あの…先輩は、私のこと好きですか?」


「……言えって?」


ちらりと隣を見上げれば、笑ってるけど……なんか怖っ、…言うんじゃなかった…


「いや…その…」


「俺、そういうの好きじゃないって言ってなかったっけ?」


「…いえ、言ってました」


ホントに言うんじゃなかった


「だよね」


「はい…」


「………」


「………」


うわ、しまった、変な空気になっちゃったぞ…
やってしまった、なにか別の話題ださなくちゃ…


「…それって、今日だから?」


「はっ?」


今日だから?え……っと、いって意味がわかんない、どうしよ…

返答に困ってると、呆れた感じの表情とため息が。


「なんだ、違うの」


「え、え?」


今日ってなんかあったっけ?あれ?記念日は…この前だったし…


「まっ、いっか」


「え?」


「ちょっとこっち向いて」


立ち止まった先輩に戸惑いながらも足を止め、言われたとおり向き合う。

なんだろ??

鞄のなかをさばくったかと思うと不意に先輩が両手を伸ばしてきた

ふぉっ、まさか…!!抱き…


「……誕生日おめでとう」


「へ…?」


驚いて先輩を見上げる
てか、誕生日って…!!


「あっ、ちょっとじっとしててよ」


「えっ、あっ、すみません…?」


あっ、今日、私の誕生日!!
そっか、そうだった…学校で友達から祝ってもらったし、鞄にだって誕生日プレゼントがあるのに、先輩といると先輩のことしか考えられないからすっかり忘れてた…

先輩が私の後ろに手を回してなにかやってわかんないなか、
私は耳元で先輩の呼吸を感じるとさっきの言葉を復唱


まさか…まさか…言ってくれるなんて…

どうしよ、すっごい嬉しい…


「あぁ、それと…


愛してる」


「あ…!」


「はい、終わった」


「……」


ぞくっと鳥肌がたった

離れ際に耳元で、
愛してるって…

望んだ以上の言葉が確かに先輩の口から確かにくれた


「ちょっと重かったかな…」


「……」


「あれ、嬉しくなかった?まぁ…別にい


「先輩っ!!!」

うわっ」


嬉しくて嬉しくて、嬉しすぎて思わず先輩に抱きついた。


「私も大好きです!!ありがとうございます!!」


ぎゅぅっと、腰に回した腕に力をこめ、泣きそうになるのを我慢する


「今日だけだからね」


大きな手が私の頭をなでた


「はいっ」


もう大丈夫
不安なんてなんにもないし、
これからも不安になることもない


首のゴールドのネックレスとともに、
いつまでもあの言葉を忘れないから


じめじめとした湿気が乾いた風に乾かされ、心地のよい風が通りすぎた




end



なんだ、最後のくだり!!無理やりかんが拭えないorz
山ちゃんがいまいちわからない

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