黒バス＆その他＆おお振り
□遠くなる、遠い幼馴染の距離
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「叶、部活終わった？」
「ん、終わった。一緒に帰るか？」
「うん、帰る!!」
俺は男でこいつは女なわけで、はたからみれば肩を揃えて二人で一緒に帰ってたら、付き合ってるふうに思われるけど、残念ながら俺らはそういうのじゃない。
友達より深く、恋人には程遠い関係、いわゆる幼馴染。
家が隣りだからこうして一緒に帰ったりしてる。
「ねぇねぇ、瑠璃から聞いたんだけど、叶は聞いた？」
「つか、お前、主語つけろっていつも言ってんじゃん」
「あー、ごめんごめん。つい忘れちゃうんだよね」
「で、なにを？」
「あぁ、そうそう…夏大で廉の高校、一回戦勝ったんだって!しかも、廉が１番で投げてたって!!」
「………あぁ」
「あの三橋が１番で投げて、しかも勝ったってすごいよね!!」
「俺は三橋から聞いたから知ってる」
三橋の話か。
別に三橋の事が別に嫌いなわけじゃない。
けど、こいつの口から、しかも嬉しそうな顔して三橋のことが出るとイライラする。
なんでイライラするのか、最近気づいた。
「マジで？叶ずるーい。廉、私にはメールもくれなかったのに…」
「嫌われてんじゃねーの？」
「うえっ、そんなことないし!」
「嫌われたらいいのに…」
「今なんか言った？」
「別に」
こんな憎まれ口言ったら、また遠くなるっていうのはわかってるけど、
憎まれ口を言っても、そう簡単には俺らの関係は崩れないけど、こいつの好きだとかいう恋愛対象から確実に遠くなる。
だって、昔は三橋と一緒に、『修ちゃん』って俺のこと言ってたのに、今じゃぁいつの間にか苗字だ。
気づいたらなんかまた遠さを感じて、三橋のことは変わらず名前で呼んでるのが余計にそれに追い討ちをかける。
つか、こいつ三橋のこと好きなんじゃねぇ？
「叶？なんかボーっとしてる？」
あぁ、なんか自分で言っといて落ち込んだ。
「おーい、叶？」
「はっ？あっ、なんだよ」
「なんだよじゃないからね、それこっちのセリフ。そういえば、叶ったら最近ボーっとしてるよね」
「別にしてねぇよ」
「そう？」
「そうだよ、お前の気のせいだよ」
「えー、そうかな？まっ、いいや、本人がそう言ってることだし」
だれのせいでしてると思ってるんだ。
遠い、遠くなる。
俺の頭んなかは日々こいつのことでいっぱいになって侵食される。
言い出したら楽になんのかな
でも、結果は見えてる。
「あーぁ、私も瑠璃と一緒に廉の試合、見にいけばよかったなー…バイトのばか」
「………」
俺の試合はそう思わないのかよ。
俺だって、最初っから投げたわけじゃないけど、活躍したんだぞ。
「叶？」
言ったらなんて言うだろうか、
笑われるだけで終わるだろうか。
笑われなかったら、きっと俺は止まらない。
止まらなくなって、この関係がきっと壊れる。
壊したくない俺は臆病で、
幼馴染に好きだということも怖くて伝えられない
そうしてさらに遠くなることを知っていても、やっぱり怖いんだ
「叶…やっぱりおかし…」
「だから気のせいだって言ってんだろ？ほら、おいてくぞ」
「うわっ、待ってよ!」
このままで
そう祈るけど、
ずっと続くのは無理だと思う
苦しくて苦しくて
いつかはやっぱり止まらなくなるんだ
こんな気持ち、気づかなければよかったのに
END
甘いのにしようとしたら、なんか片想いに結局なってしまった。
ヒロインサイドもできれば書きたいけど、まぁ…いいか、また考えよう