黒バス&その他&おお振り
□板チョコで我慢しな。
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『はぁ?チョコがほしいだァっ?』
「あっ、うん、そう…」
『ほしいんなら自分でそれくらい買えよ、金もってんだろ?』
「いや……そうじゃなくて…」
あぁ、予想してたさ。想定内だ、絶対こういう反応が返ってくるって。お前のことならなんでもわかるからな、俺は。すげくね?愛深くね?でもさ、やっぱ、俺は男だ、期待なんかもしちゃうわけ。わかってても。だから、一応聞いてみただけだから、淡い気持ちをこめてねだっただけだからそんなに睨んでくれるなよ…
心は臆病な羊なの。
って、俺、何言ってんだろ。
『じゃぁ、なに』
「それは……その……なんだ…」
『はっきりしろよ』
言わなかったら殺られる…!!でも、言っても殺られる…!!あれ?どっちにしろ、俺、もう生きるって言う選択肢ないし。
つか、なんでいつにもましてこんな不機嫌なんだ。
「だから……あの…」
これ言わないとだめ?マジで言わないとだめですか。あぁ、はい、絶対言わないとだめだね、目がすべてを語ってる。
とおりすがりの女子A「ねぇねぇ、チョコ渡したぁ?」
同じくB「えー、それがまだ。やっぱ恥ずかしくて渡せないよー」
A「だよねー。なんでバレンタインが先なんだろ」
B「確かにー」
『………………』
うーわ、すっごい見てる…見てるってか睨んでるよ…
あっ、こっち向いた
『あれか』
「えっ?あぁ…そう…いえば、バレンタインデーだよなー…」
今の女の子たち、グッジョブ。
そして、それを親指で差す姿かっこいいです。
今、た、ため息ついた。やっぱ怖い、すいません。もう今日はふつ…
『まったく…しょうがねぇな…』
「え?」
あ、あれ?今、なんていった?まさかの展開?えっ、マジで?うそ、神様、ありが…
『ほら、これで満足か』
「あっ」
板チョコだーーー!!!
確かにチョコだよ、うん。チョコだ、チョコだけど…
『大事に食えよ』
バキンッ
バキンッ!?今、バキンッて、あれ?これ、板チョコなのに変なとこで曲がってるよーな…ハハ…あれ?なんか目から水が出てきた、なにかなこれ…
いつにも増して扱いひどくね?まっ、こんなこと口が裂けてもいえないけど…
ヘタレっていうがいいさっ!!
『うぇ…やっぱまずい…』
「つか、さっきから何食ってンの?」
『…!!べ、別になんでもねぇよ!!』
あれ?
「チョコ?」
『ちが…っ!!こんなのチョコなんかじゃない……は、浜田には関係ないだろ?!』
「……一個、だめ?」
『ば…っ!だめに決まってるだろ!!浜田は板チョコくれてやったんだからそっち食べろよ!!………こんなの食べさせられない……』
「今…」
『ッ!!なんも言ってねぇ!!あっち言ってろ、バカ!!』
あぁ…そういうこと。
やばい、わかったら顔がニヤけてきた。
「いいじゃん、一つだけ」
『気持ち悪い顔しやがってうぜぇんだよ!もう、ねぇよ…口んなかだ、ざまー…んぅっ!?』
口に入れても無駄
そんなのやってももらうもんが増えるだけだよ
なんでぇ、少し苦いけどおいしいじゃん
「俺は好きだよ」
『――――ッッ!!』
この後、右フックが飛んできて、俺は見事にぶん殴られたわけだが
でも、この嬉しさとほろ苦い味はそう簡単には消えなかったわけだ
END
わぉっ、超甘いww
一歩間違えれば浜泉だっていうことに書き始めから気づいた。