黒バス&その他&おお振り 

□未来に怯える
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「お前、俺のこと好きだろ」

『は?』


いきなり断言された言葉に
跳びあがる心臓


『な・・・なに言い出すの、急に』


跳びあがった心臓は
ボールのようにバウンドし
バクバクと大きな音を耳元でたて治まることを知らない


「だから、お前は俺のこと好きだろって。一回でちゃんと聞けよなー」


跳ねる心臓は
空中でぎゅっと掴まれ
握り締められたように苦しくて痛くて
平静を装う仮面が今にも剥がされそうになる


『・・・・・・別に、好きじゃない』


平然とその仮面を剥がそうとする目の前の人間に嘘でそれを必死に防ぐ


「嘘だろ」


しかし
目の前の人間はクリクリとした目で私の仮面の下を見透かしてくる


『嘘、じゃない』


それでも怖がりな私は突き通す


「俺がお前のこと好きって言っても嘘って言うのか」

『え・・・』


握り締められたままの心臓は弾けそうなくらい力を入れられ
息が止まる
揺らぐ決意 崩壊しそうな嘘


『う・・・うそだ・・・っ』

「嘘じゃねぇよ、目ェそらすな」

『ぅ・・・ぁ・・・』


崩れる崩れる 全壊寸前
涙腺はすでに決壊


「好きだろ?」

『ち、・・・が・・・っ』


恋のままでいいと思っていたのに
終わりのない恋のままがいいと思っていたのに
貪欲な私は受け入れてしまいそうになる
いつか終わりのくる愛を


「言えよ、好きって」

『や・・・いや・・・無理・・・っ』

「無理じゃない」


なんでそんな目で見るの・・・


『でも・・・』

「でもじゃない」

『だって・・・』

「だってじゃない」


「好きだろ?俺のこと・・・・・・・・・好きって、言ってくれ・・・」


もうだめだ

逃げ場のない私は
きてほしくないけれど
いずれきてしまうだろう未来に怯えながら


「うん・・・」


頷いたのだ





END

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