黒バス&その他&おお振り 

□聞かざる、否
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『ジャスティン、なに食べる?』


「・・・・・・・・・」


『はぁ・・・』


彼女と一緒にいるときぐらいイヤホン外せよ、どういう神経してんだ

一緒に昼食を食べれることに当初は喜んでいたが、これではその喜びも何処へやら

いちいち注意するのも面倒になったので、勝手にジャスティンの分まで注文してやった
あいにくジャスティンの嫌いなものは思いつかなかった

待ち時間もこの男はイヤホンから流れてくる大音量の音楽に没頭中



「そんなにイヤホンで大音量で聞いてると耳悪くなるぞ」



そうは言ってみたけど当然聞こえてないわけで


「悪くなっちゃえ」


なんて悪態をついてみたけどやっぱりダメ


もーたるいなぁ・・・

やっぱ言ってやったほうがいいか?
あっ、言うんじゃなくて叩いたほうが効果的だな、これ


なんだよ、なんだよ、注意されなくてもイヤホンぐらい取れ!!

一緒にいても相手してくれなきゃ寂しいんだぞ、ばかやろう
頭に変なのかぶりやがって・・・


あーあーあー
もうどうせ聞こえてないだ、ボロクソ言ってやろう、

「ジャスティンのアホ、バカ・・・あー・・・爆音野郎、あれ、これは違うか?」


くそ、だめだ、目がこっちにすら向いてない
もー・・・あっ、そうだ、いつも言ってやらないこと言ってやろう
深呼吸して



「好きだよ、ジャスティン。大好き、愛してる」


なんか一人でこんなこと言ってる私が恥ずかしい
さすがにジャスティンの顔を見ながらいえなかったけど、
それでも、コイツは身動き一つしない


『はァ・・・』


別に聞かれたら聞かれてたらで恥ずかしいけど、
聞かれてなかったらないで虚しい

ため息をついてると、
不意に、ジャスティンが動いた

おっ、動いた・・・って、なになに!?

ジャスティンは身を乗り出したかと思ったら、次には唇を私のそれに押し付けていて、
一瞬頭が真っ白になった

触れるだけのキスをして座り直したジャスティンの顔は微笑を浮かべていて、
呆然とする私に一言



「口が悪いですよ、悪い子だ。でも、私もあなたを愛してますよ」



『――――ッッ!!////』



唇を読んでたんだよ、コイツは。
すっかり忘れてたよ、ちくしょう。

なんだかその微笑がなんかもうムカついてムカついて、
顔の熱さがいまだ引かないまま、ジャスティンの頭を叩いてやった。



『最悪!!』


「私は最高ですけど」


『うるさいな!もう知らない!!』



悔しくて悔しくてたまらなかったけど、愛してるって言われたときは心臓が飛び上がったくらい・・・




嬉しかったなんて絶対言わない






END

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