テニプリ&イナゴ&男主置場 仮表

□擦りむいたお膝にごっくん
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『……………』


柳「なぁ、なにをそんなにコートを噛みつくように睨み付けてるんだ」



委員会が長引いてしまって今、部活に来たのだが、マネージャーが救急箱を手にコートを異様な目つきで見つめているので、気になって声をかけてみた。




『…………だはぁっ!!あぁ、柳か。怪我人いないかなぁと』


柳「お前……どこか頭でも打ち付けたのか…っ!?欲情発情しかしないお前が他人の心配をするなんて…」


『ちょっ、ちょいちょいちょい、えっ、柳ん中ではなんで私そんないろんな意味でひどい人になってんの?!』


柳「実際そうだろう?」


『柳、私のこと嫌いだろ』


柳「いや、そんなことはない。そうだな…どっちかと言えば好きでも嫌いでもないな」


『それどっちかも言ってないじゃん!大好きだとか言えねぇのぉっ!?』


柳「逆ギレするな。じゃぁ、わかった、愛している」


『ぅおっはっ!!??』


柳「そんなことより、いくらお前がありえないことに他人の心配をしているとは言え、そんなにガン見することはないと思うが?誰かが怪我すれば必然的にマネージャーのお前のもとにくるだろう」


『そこまで信じれねぇのかっ。まぁ…あれだよ、来てほしいのはレギュラーの誰かにきてほしいわけ』


柳「はぁ…?」


『レギュラーの傷の手当てをしたいわけでありまして…』


柳「………」


『もっと言っちゃうと、あれだ、ショーパンっていうの?それから伸びたピチピチの足、特に膝を怪我?つか、擦りむいたのを私はどうにかしたいわけ』


柳「……」


『で、誰かに膝小僧を擦りむいてほしいってことで、お祈りしていたわけであります、参謀殿』


柳「やっぱり頭は打ち付けてなかったんだな、変態長殿」



よかった、本当にあのままだったら明日の天気は氷が降ってたからな。それでは部活どころじゃない。



『むっつり参謀殿』


柳「だいたいあの目はお祈りという目じゃないぞ、あれは呪詛をかける目だ。まだ俺たちは全国大会をひかえてるんだ、そんな汚い欲望にまみれた呪詛をかけてくれるな、性癖全開変態長殿」


『ぐぅ…。汚くないんですぅ、純粋な願望ですぅ』


柳「あー、はいはい、そうですね」


『えっ、ちょ、今のなに!?なに、そのめんどくさいみたいな柳じゃない言い方はっ』


柳「なんて返してやればいいのかわからなかっただけだ、めんどくさかったのもあったけどな」


『あったのか。それより、誰か早く転んでくれないかなー』


柳「そう簡単に練習で転ぶやつはいないだろ」


『うー……赤也!!!!』


赤「なんスか?先輩!」


『ちょっと転んで膝小僧を擦りむけ!!ほらっ!!』


赤「膝小僧?膝にガキなんていませんよ、なに言ってんスか?」


『………』


柳「あいつには怪我を求める前に頭をどうにかしたほうがいいな」


『もういい、赤也、怪我に気をつけて練習して』


赤也「そうっスか?じゃぁ!」


『くぅ…赤也があそこまで残念だったとは…』


柳「お前もいろいろと残念だがな」


『絶対私のこと嫌いだろ。よし、柳ころ…』


柳「断る」



赤也に転べと言った時点で、次は俺に転べと言うのは計算しないでもわかった。こいつの思考はそういうことしか考えてないからな。

ふっ、この言い負かした後の相手の顔は実に面白い。



『少しくらい転んでくれたっていいだろう??!!』



その少しが意味わからないんだが。



柳「だいたい転んで俺になんのメリットがある。どうせしょうもないことしか考えてないお前だ、擦りむいた膝に発情でもしてそのまま襲うって魂胆だろう?それはお前しかメリットのないことだ、むしろ俺にはデメリットにしかならない」


『きぃ…ッ!い、いいじゃん!!メリットならあるから!!気持ちよくする、最高に気持ちよくするからっ!!!』


柳「そんなメリットいらないな」


『絶対私のこと嫌いなんだろっ!!ほら言ってみろよっ!!』


柳「だからそんなことないって言っている」



むしろ好きだ。そういうしょうもないことに俺を巻き込まないところ以外はな。



『このやろー…っ』


柳「ふっ」



ドシンッ!!ズサササッッ!!


突然コートから物凄い音がした。
驚いたのは俺だけじゃないらしく、マネージャーもなにかと思って振り返る。すると、
転んだ張本人がこちらに向かってくるではないか、年齢不詳の顔を妙に嬉しそうにしながら。
あぁ、そうだ、弦一郎だ。



真「俺としたことが、練習に夢中になりすぎて転んで膝に怪我をしてしまった!すまんが、手当てしてくれんかっ!!」



…………本当に練習に夢中になっていたのだろうか。
なんでそんなに気持ち悪いくらい嬉しそうなんだ、弦一郎。怖すぎだ。



『きたきたぁっ!!しかも、膝っ!!真田ー、大丈夫!?』



こいつはなぜ真田のことを気づいてないのか。わからないのか、あの顔。わざとなのに。
真田は気持ちの悪い顔して擦りむいて血の滲む膝を差し出す。そのことにこれまた嬉しそうな顔をしたマネージャーが逸る気持ちを抑えてそこにしゃがみ込んだ。



真「このくらい大丈夫だ、日々鍛錬しているからな」



そこを鍛錬する前にその気持ち悪い顔をどうにかしろ。



『でも、やっぱり手当てはちゃんとしないとねっ!!あーぁ、痛そう…』



本当にそう思っているのか、この変態長は。
ん?なんだ、真田の膝を見つめたまま黙ってしまったぞ?



『…………』


真「どうかしたか?」



真田も不審に思ったのか、声をかけるがそれでも答えない。
…………気のせいか、こいつ、涎垂れてないか…?まさか…



『……………うまそう…』


真「ん?なんか言ったか」



あぁ、そうかやっぱりこいつは変態長だ。















変態長の唾液を嚥下するのが確かに聞こえた。



(キエエエエエエエエエエエェェッッッ!!!!)
(あっ、砂が口んなか入った)
(弦一郎…自分から狙って転んだくせになぜ叫ぶ)
(ぺっ!よし、砂なくなった。真田ー!!)
(二人とも発情するなら別の場所でしてくれないかな)




end


()の中のセリフで、最後のセリフは柳じゃなくて幸村です。
どうしようもないギャグになってしまって、セリフがやたら多くなってしまいました…本当はセリフだけだったんで、急遽変更しましたのでこんなんなってしまいました←
企画に提出するものなのに、こんなんでよろしいのかしら…

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