□正夢
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目覚めが悪い。
よりにもよって、あの潮江先輩が自分とは違う誰かと付き合い始めたなんて夢を見たからだ。
先輩に想いを抱いているこちらからしたらちょっとした悪夢であり、朝から憂欝な気分になる。


ただ、その夢が強ち嘘でもないかもしれないと分かったのは、食堂で喜八郎や滝夜叉丸と朝ご飯を食べている時だった―――。


「そういえば三木。会計委員長の潮江先輩に好きな人がいるって知ってた?」

いきなり呟くように放った喜八郎の言葉に、取り乱してしまいそうになったところをグッと耐えて話の続きを促してみると。

「同じ委員会の立花先輩が言ってたんだけどさ。
夜にうなされていた潮江先輩に何事かと問い詰めたんだって。
そしたら、好きな奴が誰かと楽しそうに手を繋いで、自分から離れていく夢を見たからだって言われたらしくてね。」

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