ルルカレ
□〜Prince&Princess〜
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『カレン!』
『ゼロっ!』
――東京政庁監獄
超合集国軍となった黒の騎士団は遂に東京租界を掌握。更には政庁への突入に成功していた。
セキュリティルームを制圧し、カレンの居場所を突き止めたルルーシュと零番隊の隊員は遂にカレンの元へたどり着いた。
何故ドレスを?と疑問に思ったが、ナナリーが取り計らってくれたのだと納得した。
(ありがとうナナリー!待っててくれ、すぐに行く)
ルルーシュは心の中で思いながら、ロックを解除しカレンの元へ歩み寄った。
『カレン!…無事で何よりだ。大丈夫だったか?』
零番隊の隊員も居るため、あくまでも"ゼロ"として接するルルーシュ。
『はい、大丈夫です。必ず来てくださると信じていました。』
カレンもルルーシュの意図を読み、"ゼロ"に対する返事をする。
『我々の作戦目的は完了した。木下らはKMFドックの紅蓮を斑鳩に移送しろ。他の者は残ったKMFの接収だ!』
『承知!』
ルルーシュの命を受けた隊員たちは、それぞれの持ち場に散っていく。
命令を終えるとルルーシュは突然カレンを抱き上げた。
それは所謂"お姫さま抱っこ"
『ええっ///…ゼロっ//』
恥ずかしさで真っ赤になり、ルルーシュの腕の中で暴れるカレン
そんなカレンにルルーシュは耳元で囁く。
『大人しくしてくれないか?…今日くらい皇子様で居てやるんだから』
『なっ///…………』
カレンは更に頬を染めるが、それ以上抵抗することはなかった。
蜃気楼のコックピットに着き、ハッチを閉じるとルルーシュはカレンを抱き締めた。
『るる…しゅ…?』
『すまなかった。今まで助けに行けなくて。君は何度も俺のことを救ってくれたのに…。』
『そんなこと…』
気丈に振る舞うカレンだったが、いつの間にかその瞳からは涙が零れていた。
『…本当は凄く、恐かった…でも私はずっと信じてた…貴方のことを』
それを聞くとルルーシュはカレンを強く強く抱き締めた。
『こんな俺を信じてくれていたのか…もっと早く気付くべきだった…俺にとって君の存在がどんなに大切かを…俺は誓おう、二度と君を離さないと!』
ルルーシュの優しい眼差しが、優しい言葉が、身体の温もりがカレンを包む。
カレンの白い頬から涙を拭い、そして、ルルーシュは愛しむようにカレンの唇にキスを落とす。
『!?』
カレンは驚きの表情を浮かべたが、決して拒絶することはなかった。
一瞬のような、無限のような時間が過ぎ去ったあと、二人お互いに身体を離した。
カレンは頬を染めて恥ずかしそうにしていたが、当のルルーシュは……カレンよりも更に赤面していた。
『とっ…とりあえずは斑鳩の医務室に連れていくからな』
『…ぅん…ありがと…ルルーシュ』
ルルーシュは妙に声がうわずっていたが、夢見心地のカレンには大して気にならなかったようだ。
――斑鳩ハッチ
『カレン、斑鳩に着いたぞ』
ルルーシュは声をかけるが、カレンからの返事は無い。
そこで、ルルーシュが振り向くとカレンは、後部スペースでスヤスヤと寝息を立てていた。
『るる…しゅ…こんなに食べきれないよぉ』
カレンの寝言に思わず笑みを浮かべるルルーシュ。
『まったく、何の夢を見ているんだか…しかしこんなところで寝ては身体に悪いだろう』
ルルーシュはそんなことを言いながらも、自らが羽織っていたマントをカレンの肩にかけてやる。そして――
『…おかえり、カレン』
ルルーシュはカレンの柔らかな紅髪を撫でながら、かけがえの無い存在を取り戻した満足感に満たされていた。
〜fin〜