お話小箱

□日だまりの中で…
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フェニックスの魔石を片手に、永い月日を眠り続ける、俺のかつての恋人レイチェルの下を訪れた時、彼女は黙って俺に着いて来た。





結局レイチェルは蘇ることなく天高く旅立って逝ったけど、俺はそれを見届けた時、何故か全てから解放された気持ちになっていた―――



確かに「鎖」に縛られていたのかもしれない。


部屋から出るとセリスが優しい微笑みを浮かべた表情で俺を待っていた。






「ロック……。」

再開して初めてセリスの声が俺の名前を呼んだ。

微かに声が震えているようだった。




「セリス……待っててくれたのか?」


彼女は黙ってこくんと軽く頷いた。




俺は静かにレイチェルが蘇らなかった事を話した。

どことなくセリスは悲しい表情。




「俺は…俺はもう、大丈夫だから!だから、そんな心配そうな顔、するなよ!」

セリスの悲しい表情なんか見たく無かったから俺は明るく振る舞ってセリスの笑顔を取り戻そうとした。

が、次の瞬間――――







セリスが俺を抱き締めていた。



懐かしい、あの薔薇の香り――――







「せ、セリス?」

さすがの俺もこのセリスの行動に驚きを隠せない。


しかし、そんな動揺している俺を構わずしっかりと抱きしめ再び俺を呼んだ。



「ロック……おかえりなさい。」






その言葉に安堵を覚えた俺はセリスを抱き締め返事した。









「ただいま……セリス。もう、大丈夫だから、な?」



その返事にセリスは俺の肩越しに頷いた。















やっと出来た――再会――

















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