お話小箱

□ヤ・キ・モ・チ2〜悲痛〜
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そういうとティナはまだ広げていない荷物のもとへ行き、トランクから紺色のワンピースを取り出した。エドガーから貰ったものだが着る機会がなくお蔵入りしていたのだ。

ニーナがシャワールームから出てくると早速試着してもらった。

「あら、ピッタリじゃない。」
「ホントだぁ。」
「あの…これ…。」
「あ、いいの。私、着る機会なくて困っていたの。ニーナ、良かったら着て。」「えぇ…。」
紺色はニーナの白い肌に映える色でとても良く似合っていた。
「下の食堂に食事を用意してあるの。あなたも一緒にいきましょう?」
ティナはそう言うとニーナの手をとり誘う。
「…あの、でも…」
「大丈夫よ。何も心配しなくていいの。さぁ行きましょう。」
セリスは穏やかに言い、ニーナの背中を押した。
食堂に入ると男性陣は先に席についていて、既に酒盛が始まっていた。
女性陣が入ってきてエドガーより先にロックがそれに気が付いた。
「ニーナ!」


―チクッ…
セリスの胸の奥に針が刺さる…

「ニーナ、似合うよ、その服、ティナの服か?」
「えぇ…」
「だよなーセリスの服ならデカすぎてあわねぇもんな!」
ロックは冗談たっぷりで言って皆を笑わそうとした。
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