お話小箱

□高校白書
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次のページをめくった時だった。そこにプリントされていたのは色白で澄んだ空のような目をして長い金の髪をおろしたとても高校生には見えない大人びた顔の女の子だった。
「セリス・シェール…」ロックはまるで何かにとりつかれたかのように「セリス・シェール」
と言う女子生徒の顔写真を見入っていた。



「…い……オイ、…ロック!!」
自分の名前を呼ばれたことに気づきハッと我にかえるロック。
「何してんだよ。ぼーっとして」
「あ、いや…別に…」ロックの顔が少し赤くなっている。
「ロック、オマエ、何顔赤くしてんだ?」エドガーはロックっが開いていたページに気づきながらわざとに尋ねた。
「い、いや、なんでもねぇって。」ロックは益々顔を紅潮させていた。
「あ、それ、オレの…」ロックが手にしていた入学式の詳細の冊子はエドガーのものだったらしく返した。エドガーはロックに
「準備も終わったし帰れるぞ。」
「おぅ。」
二人は玄関に向った。

エドガーが靴箱ロッカーを開ける。

ドサ……

「新学期早々それかよ〜。」ロックは冷やかしに入る。
ロッカーから落ちた物は十数枚のラブレター…。

「今年もまた始まったって感じだな…」ロックは苦笑しながら言った。

「ふぅ…」エドガーはため息をつき乍それらを拾い鞄にしまう。
陽が沈む頃二人は下校していった。





―フィガロ家―
エドガーが自分の部屋に入ると双子の弟マッシュがいた。
「お、兄貴、お帰り〜」
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