お話小箱

□ハッピー・ハッピーバースデー
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最近、初雪が降った…。

家の周りの草花は来年の春、新たな命として再び姿を現す為にひとまず今年の命の燈を自ら消していた。


家の中では暖炉の火が時折パチパチと音を立てながら赤々と燃えている。





俺は今、静かなリビングを落ち着きなくうろうろしている。
時間の流れはとてもゆっくりで時々止まってしまっているのでは無いかと思える程…。

「オイ、ロック、少し落ち着けよ。さっきからうろうろせわしないなぁ…。」
セッツァーが少し苛立った口調で俺に声を掛けてきた。

セッツァーはおもむろにジャケットの内ポケットからタバコを取り出そうとしていた。
「セッツァー、タバコは止めてくれよ。上の部屋に臭いが流れるだろ!」
「おっとワリィな…。しっかしまぁ、随分と神経質になってんなぁ〜。もう少しリラックスすれよ。」

こんな状況でリラックス出来るわけがない―――





―昨日の午後――
セリスと俺は冬に備えてサウスフィガロへ買い物へ出る予定だった。今住んでいるのは昔、シドとセリスが暮らしていた離れ小島だった為、冬の間は中々外に出られなくなる。
だから雪が降らない内に色々準備をしなければならなかった。
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