お話小箱

□ヤ・キ・モ・チ1〜再会〜
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―ニケア港町―

陽が西の空から姿を消す頃、旅の一行は今日の宿泊をこの町に決めた。

宿屋に入り荷物を下ろすと夕食をとるため、レストランへ足を運ぶ。
今は帝国の支配下にあるため町中は暗く、重々しい空気に包まれ、どの店を見ても活気が感じられない…。
「何か、どの町もそうだけど、暗いよなぁ…」
ロックがボソッと溜め息混じりにこぼす。
「今は仕方ないだろう…我々が帝国を潰さない限りこの状況は変わらないさ。」エドガーが冷静な答えを返す。

暫く歩いていると向こうから青ざめた顔色で必死に走って来る女性が一行の目に止まった。

「た…助けてー!!」
女性は息をきらしながら一行に向かって助けてを求めてきた。

「なんだ?」マッシュが目を細めて良く見ようとしている。
「後ろから帝国兵が2、3人追いかけて来てるぞ。」それを知り、一行は助けを求めている女性に駆け寄った。

その女性の衣服が乱れており所々刃物で切り裂かれた後や彼女の顔や身体にアザや傷も出来ていて、瞬時に皆「この女性に何が起きたのか」想像がついた。
エドガーはすぐに彼女を自分のマントでくるみ、露になった肌を隠した。セリスはケアルをかけ、傷を癒す。
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