お話小箱
□The awakeninng LOVE〜後編〜
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―誕生日当日―
ティナは外メンバーに入れられていた。勿論皆で仕組んだこと。
その間にお留守番メンバーで飛空挺の広間を飾りつけたりりょうりを用意したり準備をするという作戦。
広間ではリルム、モグ、ウーマロ、ロックが飾り付けを担当している。芸術センスに長けているリルムの指示により他のメンバーは四方八方に飛び回って飾りをつけたりなにやら飾りを作っている。
「ちょっと!ドロボウ!あんた、もっと上まで上がってそれつけられないの?」
「ど・・・俺はドロボウじゃねぇよ!」
(ガキだと思って手出しできねぇとか思ってんだろ!いつか痛い目にあわせてやる!!!)
ロックは相変わらずのリルムの暴言に最近キレ気味な様子。
「つべこべ言ってないでさっさとそのミラーボール、天井さげてよ!あ!モグ!それは青じゃなくて赤で切ってって言ったじゃない!何でハートが青なのよ!」
「・・・クポ・・・」
広間はリルムの怒鳴り声が響き渡りそれは厨房にも聞こえてくるほどだった。
「ホント、リルムは芸術系なことになると人格変わるわね・・・」
ため息混じりにセリスが洩らす。
「あぁ。あっちじゃなくて良かったよ・・・。」苦笑いしながらエドガーが返答した。
「そういえばマッシュは?」
「あ?あぁ、なんだか朝から顔色が悪かったから気の済むまで休むように言っておいたんだが・・・。
「やっぱり、緊張するのかしら?」
「だろうね。マッシュはほら、兄弟の私が言うのもなんだが、子供の頃からそういうのには疎かったし・・・」
(そのへんの遺伝子は全てあなたが受け継いだっていうか、吸い取ったんじゃ・・・)
セリスは苦笑してかえした。
「でも、きっとマッシュの告白はうまく行くと思うわ!」
「おや、ずいぶんな自信だね、セリス。」
「・・・確信できるものがあるわけじゃないけど、そんな気がするの。」
「フ・・・将軍セリス様が。セリスは変わったね。」エドガーはまるで成長を見守ってきた親のような目でセリスをみた。
「な・・・なによぉ〜!」
その視線に急にセリスは恥ずかしくなり顔を赤らめながらエドガーに噛み付いた。
「ハハハ!セリス、おしゃべりしている時間は無いぞ。早いとこ料理を全部仕上げてしまおう!」
「・・・もぉ〜!!」
セリスはちょっと不貞腐れてみせてまた手を動かし始めた。
何とか特に問題も無く(?)飛空挺のパーティーの準備が整って行った。
ただ、彼の心の準備は全く整っていない・・・。