お話小箱

□高校白書
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4月――
学園は新学期を迎えた。


「今年の新入生代表は…セリス・シェール…女子生徒かぁ…。」
入学式の準備で、進行内容を確認しているのは今期生徒会会長のエドガー。
エドガーには在校生代表の式辞を述べる役があった。
「どんなコなぁ…(笑)」エドガーは少しにやついた表情で新入生を想像していた。
彼は超フェミニストで有名でもある。悪く言えば「女好き」と言ったところか・・・。
いつもエドガーは女子生徒の取り巻きがついてまわる程だ。


「お――い、エドガー!」体育館の入口から彼を呼ぶ声がした。
ふと声の方を見るとクラスメイトで幼なじみのロックがこちらに向かっている。「ロック、どうした?」
「イヤ、もう終わる頃かと思って。一緒に帰ろうぜ。」
「あぁ、もう少し待っていてくれ。」
そう言われロックはステージの端に腰掛け待つことにした。側には誰かの明日の入学式の詳細の冊子が放り投げられていた。それをおもむろに手をとりパラパラと見始めた。
(挨拶するオエライさん達の写真付きかい……ま、顔と名前は間違える分けにはいかねーもんな。……お、エドガーじゃん♪コイツ、良く撮れたヤツ使ったな…で、次のページは新入生代表か…さぁ〜て今年はどんなガリ勉ヤローだ?)この学校は代々首席で入学した生徒が新入生代表の挨拶をする事になっていた。
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