お話小箱
□白の世界
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世界に日の光が戻り人々は平和な日常生活を取り戻しつつあった。
あの仲間たちもそれぞれ故郷に帰ったり新しい生活の場をみつけ平和な生活を送り始めた。
そう……この二人も…
小さな孤島はいつもたくさんの色とりどりな草花が咲き乱れていて四季が移り行くと同時に島の色も花たちのお陰で変わっていった。
セッツァーはそんな小さな島の花の絨毯の色が季節毎に変わるのが楽しみで季節の替わる頃、この小さな島の上空をルートにして飛んでいた。
――夏――
セリスは花籠を片手に家の近くのラベンダー畑に出ていた。
「そろそろある程度摘んで干さなくちゃ。今年はラベンダーのポプリ袋と枕作るってエドガーに約束したから…」
軍服から白いワンピースにエプロンに着替え、勇ましい雰囲気はどこか抜けないものの女性らしい雰囲気が日々表れたセリスは紫色にそまった花の絨毯から少しづつラベンダーを摘みとる。
花を手入れしている時のセリスはとても穏やかだった。
「セリス!」背後から久しぶりの愛しい彼の声がセリスを呼ぶ。
「ロック?!」しゃがみこんでいたセリスは立ち上がりロックに駆け寄った。