□story□
□ナガレボシ
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今日はなんとなく3人で夜中に外へ出かけた。
なんでも今日は流星群を見られる日らしいから。結野アナによると。
新八は行き道に何度か「姉上も連れてきてあげたかったなー」と呟いていた。
「ったく。シスコンもほどほどにしろよなぁ。」
いつものようにあきれていると、神楽が新八ににっこり笑って言った。
「兄弟は大事アル!わかるネ、新八の気持ち。」
・・・・・アレ?
いつもならお前、俺と一緒に新八馬鹿にするじゃあねーか。
おかしくない?コレ。
俺悪いみたいな雰囲気になってない、コレ?
違う。
神楽がおかしい。
新八もその変化にすぐに気付く。
いつもみたいに猛烈なツッコミもなければ、わけのわからないボケもしない。
アレ・・・?
ただ神楽の顔には、うっすらと優しさと哀しみが浮き出ていた。
***
やっとついた、丘の上。
いつも誰もいないくせに、今日は少しだけ人でにぎわっている。
なんやかんやでドタガタうるさい俺たちは、いまだ黙ったまま。
なんか。
触れてしまってはいけない気がした。
沈黙を破ったのは、神楽。
流れ出した星屑をつかもうと、手を伸ばしている。
「昔お兄ちゃんと、約束したアル。」
――――ああ。
あのハゲが言ってたな。もう一人息子がいると。
でも確かー・・・。
「お兄ちゃんごっさ強いネ。
何度も何度も助けてくれたアル。
そん時2人で見た星に、約束したアル。
”ふぉーえばァ らぶ”って。」
《・・・・・・・・。》
コイツ絶対意味わかってねーのに約束しちゃったよ、オイ。
「永遠の愛・・・ねぇ。こりゃまたずいぶんとロマンチックで・・・。」
ぼそりと呟くと、神楽は不思議そうにこちらを見てくる。
「えいえんの、あい・・・・?」
「そー。Forever love の意味。」
神楽は目を見開いたまま、空を見上げる。
「わ・・・・・わたし、ず・・・と、おにちゃ・・・の・・なかに、いない・・と、おもって・・・。
ほんとは、・・あ、あい・・・して・・・・・」
お前はきっと。
兄貴のこと、大好きなんだな。
自分を暗い、雨の町に残して行ってしまったというのに。
蒼い目を、いっそう蒼くして涙をこぼさせるほど。
ー・・・。
罪な奴だな。
「決めた。」
もしいつか、兄貴に会ったら、とりあえずその面、
一発殴らせろや?