□story□
□プレゼントは、スマイルで
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今日もこの町には絶えず雨が降っている。
別にいつもと変わらないけど、今日はとても憂鬱だった。
なぜかこんな日に限って神楽も外に遊びに行っている。
それもいつものことなんだけど。
でも、
いつもは俺を誘うくせに。
・・・
いやいやいやいや。
いいんだけれども。少しだけ、つまらない。
今日は俺の、特別な日なのに。
父は家にいるはずもなく、母は病弱でそれどころじゃない。
忘れているのであろう神楽は、ここにはいない。
特別な日に、そこまで興味があるわけではないけれど。
「別に傍にいてくれるくらい、してもいいじゃん。」
そうこぼしたけど、返事なんて返ってくるはずもなく。
―――・・・俺って何の為に生まれてきたんだろう?
ふと疑問におもえてしまった。
俺は自分が嫌いなわけじゃない。まぁ好きなわけでもないけど。
この血を恨んだり、苦しんだりした事はない。
いや、なかった。
のに、今は・・・・・・。
「めんどくせ」
そうつぶやいて瞳を閉じた。
今日は俺の生まれてきた日なんだ。おめでたい日じゃないか。
いいんだよ。
別に、俺はここにいるんだから。
さみしくなんて、