□story3□
□VeryShort
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「兄ちゃん!」
ああ
愛してくれたらよかったのになあ
嫌わないでヨ
せめてでいい
せめて、
目を反らさないでね
「ま、って・・・」
私が歩く道をあなたは嫌った
霞む視界はあなたの所為ね
「神威・・・」
もう見ない
もう振り向かない
あなたは私を見ないなら
寂しい思いはする必要ない
「許さない、から」
君を忘れる攻略法
私の
ひとみに、あたまに、心の中に、
どうかどうか、
焼き付かないでね
霞み行く馬鹿兄貴の横顔が、
寂しく弧を描いていた、ような気がした
気がしただけ、で、
ありますように。