花咲く世界

□トラブル強襲

某日某所。
WCも終わり、誠凛が優勝してキセキの世代と黒子の笑顔も戻り、もうすぐ春休みになろうとしていた時だった。
赤司によってキセキ取得高校とWC優勝校と無冠取得高校で、合同合宿という名の交流会及び三年生のお別れ会をしようと各校の監督に知らせが届いた。
そして春休みの間に三泊四日の合同合宿が行われる事になった。
今日は合宿の三日目。

「うっぷ・・・今朝の御飯が・・・。」
「テツヤ大丈夫か〜?」

リコの鬼畜メニューをこなし、休憩になった瞬間に一部の人間が床とお友達になった。
その一部である黒子は灰崎に頭を突つかれている。

「俺もてっちゃん程じゃないけど・・・ヤバい。」
「お〜、カズナリも顔色ヤバくね?」
「つか、キセキと火神は何なの?平然としてるけど体力化け物なの?」

高尾の視線を追うとそこには元気に騒いでいる赤司を除いたキセキと火神が居た。

「うっわぁ・・・。」
「いや、灰崎も引いてるけどお前も対外だからな?」
「え?」
「疲れてる様に見えねーし。」
「いや、普通に疲れてるぞ。休憩中までバスケはしたくない。休める時は休む!だから休憩する。」
「確かに。」
「灰・・・崎・・・君・・・そこの・・・。」

息も絶え絶えな黒子が灰崎の足首を掴む。
そして掴んでいない方の手は自分の荷物が置いてある場所を指差していた。

「スポドリ?」
「はい・・・取って・・・。」
「お〜。ほら。」
「どうもです・・・。」
「ほら、汗もちゃんと拭いておけ。」
「う〜・・・。」
「つか、何か甲斐甲斐しいな?」

てきぱきと黒子の身の回りの世話をしている灰崎に高尾が思わず呟く。

「え?あ。つい。」
「つい?」
「いや・・・えっと・・・。」
「・・・祥吾。」
「申し訳ございません。って、あ゛あ゛あ゛〜!」

顔色を悪くしながら頭を抱えて叫ぶ灰崎。
そしてそのまま黒子を恨みがましく見つめる。

「You really are weakly surprised.(お前は本当に不意打ちに弱いな)」
「Who's doing!(誰の所為ですか)」
「Complaining is to say to my brother.(文句は兄様に言う事だな)」
「If anything it is the fact of you brother and sister.(どちらかと言えば貴方達ご兄妹の所為ですよ)」
「boo….(む〜)」
「灰崎・・・てっちゃん?」
「「what?(はい?)」」
「お前等英語話せたのかよ!?」
「え?」
「やべっ!」

ふと気が付くと全員が黒子と灰崎を興味深そうに、面白そうに見ていた。

「というか、会話がまるで主従の様だな?」
「せやな?灰崎が敬語とかおもろいやん。」
「え?灰崎が敬語?」
「そっちの良い子ちゃんは敬語じゃなかったな。」
「え?マジ?」

英語が分かる組が面白そうに目を細めながら言う。

「黒子、灰崎。」
「「はい。」」
「説明してくれるね?」
「・・・・・・。」
「”僕”の言う事は?」
「「ぜった〜い!って、あ。」」

久しぶりの副人格赤司の登場に反射的に返事をしてしまう2人。
その顔は物凄く嫌そうで面倒そうだ。

「・・・・・・。」

暫くの沈黙後にピロンとスマホの着信音が響く。

「悪い。俺だ。・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

どうやら灰崎のスマホだったらしく、周りから逃げる様にスマホを見る。
が、スマホの画面を見た瞬間、その顔が盛大に引き攣る。

「・・・・テツヤ様。」
「何?」
「花鹿様がこちらにお見えになる様です。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「ついでにリーレン様とルマティ陛下とカール様とユージィン様もご一緒だそうです。」
「祥吾。」

灰崎の言葉に黒子の顔が真っ青になる。

「はい。」
「逃げて良いか?いや、今すぐ逃げよう!絶対面倒な事になる!」
「逃げたら花鹿様が絶対拗ねますよ?」
「大丈夫だ!愛しの花鹿なら俺が逃げた理由も分かってくれる!」
「いや、激ニブ箱入り娘な花鹿様相手にそれは無理だと思いますが・・・。」
「でも色んな意味で流血沙汰が起きる前に逃げないと!絶対に面倒な・・・「テツヤ!」

どんと、黒子の身体に衝撃が走る。
ふと視線を向けると、美少女・・・花鹿が黒子に嬉しそうに笑顔で抱き付いている。
それを見た一部が色んな意味で悲鳴を上げた。

「花鹿?」
「テツヤ!久しぶり!元気にしてたか?」
「うん。久しぶり。・・・随分と・・・早い到着・・・だな?」
「リーレンが、前もって連絡するとテツヤは逃げるからギリギリに連絡しておけば絶対に会えるって!」
「・・・・・・・読まれてた・・・・だと?」
「お前とは何年の付き合いだと思っているんだ。全く・・・テツヤが考えそうな事くらい分かるに決まっているだろう。」
「あ。リーレン兄様。」

ぽんと、黒子は頭を撫でられる。
視線を上げると呆れ顔のリーレンが居た。

「久しぶり〜。で、結婚した?」
「・・・・・・・・テツヤ。」
「あ。まだ出来ないか。リーレンはまだしも花鹿はまだ精神的に幼過ぎるもんな。」
「・・・・・お前、分かってて聞いているだろ。」
「えへ?」
「どうでも良いですけどお二人とも、会う度その会話してません?」
「祥吾か。相変わらず苦労しているな。」
「まさかの疑問系じゃなくて確定系!?」

リーレンの発言にショックで顔を覆う灰崎。
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