ファミリー&フィアンセコンプレックス

□まさかのカミングアウト
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「黒子。どうしてくれるのだよ。」
「だからすみませんって。」
「貴様の所為で先輩がいじけモードに入ったのだよ。」

未だにギューッと抱きついているテツキの頭を撫でながら緑間がテツヤを睨みつける。

「・・・・・・本当は姉さんにくっ付かれて嬉しいくせに。緑間君のスケベ。」
「なっ!?変態トリオと一緒にしないで欲しいのだよ!」

ジト目で見つめて来るテツヤに勢い良く否定する緑間。

「変態トリオって随分懐かしい・・・。」
「・・・大輝君と祥吾君と涼太君だっけ?」

緑間に抱きついたままテツヤの方に顔を向けるテツキ。

「そうです。確か赤司君が命名したんですよね?」
「ああ。部室のロッカーの抜き打ち検査の時にエロ本が奴等のロッカーから見つかったのだよ・・・。」

当時の事を思い出したのか緑間が頭を抱えだす。
その横ではテツヤが遠い目をして影を背負いだした。

「えっと、人妻系と略奪系とアブノーマル系とSM系と巨乳系とロリ系でしたよね。あまりの内容が衝撃で僕は未だに忘れられないんですけど。あれで僕は色々とトラウマになりました。」

色々と思い出したのか、ううっとテツヤが両手で顔を覆う。

「それって、誰がどれだったの?」
「「それはお願いですから聞かないで下さい。」」

テツキの素朴な疑問に関係者二人が顔を青ざめて言う。
よっぽど思い出したく無いのだろう。

「なので姉さんはあの三人に二人きりで会ったりしないで下さいね?危険ですから。」
「大丈夫だよ。いざとなれば修造直伝の急所と言う急所を攻撃するから♪」

やっと復活したのか、緑間から離れたテツキが笑顔でサムズアップする。
心なしか背後にはキラキラ輝くエフェクトが見える。

「・・・そういえば姉さんは”あの”虹村主将と互角に渡り合えるんでしたっけ。」
「力でごり押しタイプなら瞬殺出来るよ♡柔タイプでもどうとでもなるし・・・ね?」
「「・・・・・・(背後に般若が見える)。」」

先程以上の笑顔を浮かべるテツキを見てテツヤは激おこモードのリコを、緑間は激おこモードの虹村を思い出す。

「いざとなれば使い物にならない様に潰しちゃえば良いでしょ?それにデリカシーのカケラも無い相手に同情も手加減も要らないし。」
「あ、青峰君と黄瀬君終わりましたね。」
「灰崎はどうなのだよ?」
「灰崎君は・・・まあ・・・そのうち分かります。」

何故か口元を抑えて笑いを堪えながらテツヤが言う。

「つか、それよりしんちゃん!」

今までずっと黙りっぱなしだった高尾が急に声を荒げる。

「何なのだよ?」
「俺、緑間に彼女が居るの聞いてない!しかもその彼女が年上の他校の先輩でライバルチームのマネージャーとか!初耳なんだけど!?」

半泣き状態の高尾が緑間に掴み掛かる。

「そうだぞ緑間。お前がリア充とか嘘だろ!?」
「テツキちゃん、緑間君と付き合ってたの!?」
「「つっちー以外にもリア充が居るだと!?」」
「何故わざわざ言う必要が?」
「聞かれなかったから。」

チームメイト達にもみくちゃにされながら二人が同時に答える。

「よし、今日は早いけど昼休憩だ。お前達が気になり過ぎて皆が集中でない。」
「そうね。皆が気が済むまで二人には質問に答えてもらおうじゃないの?」
「そーそ。俺等から逃げられると思うなよ?」
「片方が他校生だろうと先輩命令だから。」
「「え。」」

がしっとテツキはリコに右腕に飛びつかれ、緑間は左腕を木村に右腕を宮地に捕まえられた。
一部始終を様子見していた中谷監督も文句は無いのかそのまま休憩に入りだす。

「ちょっ!練習は!?」
「お前達の所為で気になって集中出来ない。」
「理不尽なのだよ!?」
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