ファミリー&フィアンセコンプレックス
□家族、増える。
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「「「どうも。よろしくお願いします。」」」
「・・・・あ・・・ああ。」
「・・・・・ちっ!」
「・・・・・は?」
何時もと変わらない三つ子と、動揺しているであろう男三人。
「・・・・誰かこの状況を説明して欲しいのだよ。」
動揺している男その一、緑間真太郎は眼鏡のフレームをカチャカチャさせながら言う。
「ふは。お前等が弟と妹とか面倒が起きそうだな。」
動揺している男そのニ、花宮真は顔を引きつらせている。
「・・・・え?・・・・・は?」
動揺している男その三、宮地清志は未だに状況把握がしきれていないのか言葉になっていない。
「あら?貴方達全員知り合いだったのね?」
「はい。一応。皆バスケ部関係で。」
「そう。ちょうど良かったわ。今日からうちに皆で住むから仲良くね?」
にっこりと、誰もが見惚れそうな笑みを浮かべる母。
しかし、三つ子からしてみれば嫌な笑みにしかならない。
「「「はいっ!?」」」
「二階の部屋好きに使っていいから。」
「・・・・・・・最初からそのつもりで家新しく建てましたね?」
「当たり前じゃない。じゃなきゃあんなに広い家にしないわよ!」
「もうやだ。この母親。」
思わず地面に座り込むテツナ。
何時もだったら誰かしらにお説教されるが、それどころじゃないので誰にも注意されない。
「諦めましょう。これが僕らの母親なのは事実です。」
「・・・・早く着替えたい。」
「テツノ;我慢して下さい。まだ着たばかりでしょう?」
「・・・・和服は胸が苦しい・・・ドレスの方が楽なのに・・・。」
浅葱色の着物姿のテツノが呟く。
「・・・テツノ。それはつるぺたな私に対しての当てつけ?何?喧嘩なら買うよ?」
ゆらりと幽霊の様な動きと表情で言うテツナ。
それを見た緑間の顔が引きつる。
「・・・・はいはい。二人共その手の喧嘩は後でして下さい。仮にも男性が居る前で話す事ではないですよ。」
「「は〜い。」」